春を迎えた老街
2025 / 11月
この雑誌を開いた時、あなたは台湾の多様で豊かな姿を目にするだけでなく、この島に流れる暖かく優しい力を感じることだろう。この力は深く心に染みる、互いをつなぐ温度である。それは茶の里の霧や海辺の潮汐、老街の赤レンガ、そして夢を追う眼差しの中にも隠されている。
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カバーストーリー
茶の新しい道
次世代が受け継ぐ ――坪林老街の物語
東洋で生まれた茶文化は東から西へと海を渡って広まり、世界の貿易地図を塗り替えるとともに、各国の言語にも静かに浸透していった。福建や台湾から茶葉を輸入していた地域やその経由地の多くでは、「茶......
陶磁器の里
200年の歴史を伝える鶯歌
陶磁器作りは古くからある民芸だ。イギリスの陶芸家エドマンド・ドゥ・ヴァールは、東西の陶磁器の里を訪ね歩き、陶磁器について複雑に絡み合ったその歴史や人々の熱狂ぶりを、著作『The White......
金色に輝く山あいの町
九份の華やぎと静けさ
九份と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。 石段の傍らに掲げられた赤い提灯や、肩が触れ合うほどのにぎわいだろうか。アニメ映画『千と千尋の神隠し』のシーンに似た幻想的な雰囲気か、それ......
史跡・漁港・ アートフェスティバル
宜蘭頭城の老街
宜蘭県の頭城は、蘭陽平原開拓の第一の町と呼ばれている。そこの老街(古い町並み)はわずか600メートルの長さだが、宜蘭全県で文化遺産の密度が最も高いエリアでもある。頭城には五つの漁港があり、......