台湾で鉄道の旅
2025 / 10月
当たり前の日常の背後には、実は知られていない人々の努力と数々の物語がある。今月の『台湾光華』は、こうした普段は目に入らないが重要な物語を掘り起こし、台湾に深く根を張った文化と自然の美を見ていく。大規模な鉄道建設において、世界26ヶ国の専門家と5000人を超える技術者が力を合わせてさまざまな課題を解決したことをご存じだろうか。その線路の建築限界測定に用いられた通称「花魁車」が、実は日本の新幹線0系電車だった。この0系車両は今は高鉄台南駅に展示されている。鉄道文化の重要なコレクションであると同時に、台湾と日本との特殊な縁を物語っている。
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カバーストーリー
近代化の歩みをたどる
――国立台湾博物館鉄道部園区
台北市北門の高架橋が撤去された後、北門郵便局の向かいにある国立台湾博物館鉄道部園区の姿が目の前に現れ、存在感を増した。 赤レンガと白い人造石の典雅な外観を持つこの建物には、かつて台湾鉄路公......
国家鉄道博物館――
その誕生と今後の展望
自動車や飛行機、レールを走る列車など、動力を持つ巨大な機械に人類は本能的に興味を持つようだ。 大量の人や貨物を載せて長距離を走る列車は、現代文明の重要な象徴であり、現代人にとって日常生活の......
台湾の大地を駆け抜ける
――探索・台湾高速鉄道
午前中は南台湾墾丁の熱帯の海でダイビングを楽しみ、午後には北回帰線を越えてダウンジャケットに着替え、北部の山間の小さな町、平渓で天灯を上げる。このように南北400キロにおよぶ日帰りの旅を可......
スローな旅の風景
――台湾の観光列車に乗る
日本の「鉄道デザインの父」と称えられる水戸岡鋭治氏は「列車に乗ること自体が旅の目的になる」と語っている。近年は台湾でも数々の観光列車が誕生し、洗練されたデザインの内装、おいしい料理、行き届......
専用列車で楽しむ 支線やリバイバルトレインの旅
支線やリバイバルトレインの旅
旅先で自転車やバイク、車などをレンタルするのはよくある話だが、なんと列車も借りられるのをご存知だろうか。台湾鉄路公司(以下「台鉄」)では、旅行代理店や鉄道ファンの団体、それに政府機関などが......
平渓線の景観を尋ねて
――古道、甌穴、天灯
80元の一日乗車券を買えば平渓線の各駅で自由に乗り降りできるが、猫の写真を撮り、天灯を上げるだけではもったいない。「牡丹」から「三貂嶺」、または「平渓」から「菁桐」までの間は山も川もあり、......