ICDF奨学金で社会に還元
「コーヒーを飲んで学校を作る」アイディアは2014年のハルトプライズ参加時に始まった。
参加を持ちかけたのはホンデュラスから来たJuan Diego Prudot (J.D.)である。J.D.とエルサルバドルから来たAndres Escobarは外交部国際合作発展基金会(国合会/ICDF)の留学生奨学金で台湾に留学していた。
中国語で潘方砥と名乗るJ.D.は、流暢な中国語で話す。「MBAの学生は高収入を夢見ます。でも私たちには、もう一つ動機がありました。幸運にもICDFの奨学金で高等教育を受けられたのだから、両親も私に、学んだことを活かして人の役に立つことを望みました。より多くの人が私のようにチャンスを得られることを願ったのです」
社会への還元を胸に抱く2人の留学生は、財務に極めて高い専門性をもつカナダ人クラスメートTaylor Scobbieと、交渉に長けた台湾のクラスメート陳安穠を誘い込み、コンテストに参加する計画をスタートした。
まずは上海で開催される地域予選に参加したが、選に漏れた。4人は落胆したものの敗者シードで参加し、2015年4月に米Indiegogoのクラウドファンディングで「小額投資で貧困児童の学校建設」を旗印に、5万9000米ドル余りの資金を集める。こうして敗者チームのトップになり、決勝への切符を手に入れた。さらに米ボストンで6週間のアクセラレータープログラムのトレーニングを受けた。但し、提出した計画を一ヶ月半の間に完成させなければいけなかった。

コーヒー1ブリックごとにブロックの番号が振られており、その分だけ学校建設に協力することができる。