民進党の陳水扁候補は、宋楚瑜候補の36.84%と連戦候補の23.1%に僅差で勝利し、台湾の民主政治に新たな一ページを開いた。だが、国会では民進党は少数派という「ねじれ現象」があり、台湾社会の成熟度が問われることとなった。
「光華」は2000年3月号(日本語版4月号)で、総統選挙の各候補者にインタビューし、その政権とビジョンを語っていただいた。公正かつ厳正な報道をもって、台湾政治史における重要な一年を見守ったのである。その翌月には新政権への期待を込めて選挙結果を報じた。
同年の総統選挙では、台湾海峡両岸政策が大きな論点となった。陳水扁は「台湾の多数の民意は、独立という現状にコンセンサスを得ている」とし、台湾独立に対する懸念を払拭した。また陳水扁は総統当選後、中国共産党指導者を台湾に招き、また自らも対岸を訪問する用意があると善意を示した。陳水扁総統の任期中、両岸の緊張が高まることもあったが、過激な動きはなく、現状維持という国民の期待に応えた。
一方、選挙に敗れた宋楚瑜は新たに親民党を結成してブルー陣営とグリーン陣営の間の第三勢力を形成、国民党では党内の再編成が行なわれ、台湾の政治はより成熟し、新たな段階へと進んだ。
ミレニアムの年、台湾は民主主義の新世紀へと一歩を踏み出したのである。
2000年の中華民国総統選挙では、民進党の陳水扁・呂秀蓮候補が当選し、台湾で初めての政権交代が実現した。
2000年の中華民国総統選挙では、民進党の陳水扁・呂秀蓮候補が当選し、台湾で初めての政権交代が実現した。
2000年の中華民国総統選挙では、民進党の陳水扁・呂秀蓮候補が当選し、台湾で初めての政権交代が実現した。