女性は自ら強くなるべき
Q:男女共同参画社会に向けて改善の余地がある点はどこでしょう。政治を志す女性たちにアドバイスをいただけますか。
A:公務員体系には改善の余地があります。一般公務員には女性が多いのですが、管理職になるとその割合は低くなります。女性は伝統的観念から家庭を守らなければならないと考え、単身赴任や外勤の仕事を受ける意欲が低いことなどの要因が挙げられます。
また、管理職自身も女性は重責を担えないと考えがちです。ただ、男女共同参画の概念は普及しつつあり、男女の競争者の条件が同じ場合は女性を採用して管理職の性別比率の均衡を図り、人材育成でも男女均衡を徹底させるべきです。
政治に携わる若い女性は、孔子の言葉「位無きを患えず、立つ所以を患う」を参考にしてほしいと思います。まず己を充実させ、チャンスが来たら、期待に背かぬよう懸命に努力し、後進のために道を開くことです。
次に、政界に「誤って紛れ込んでしまった」という結果にならないよう覚悟も必要です。この世界はさまざまな試練に満ちていて、時には辱めを受けることさえあります。今は官僚にとって非常に厳しい時代で、常に攻撃されるのでプレッシャーに耐える力が必要です。閣僚は理想的な政策を実現するために周到に考え、国民にも分かる言葉で説得できなければなりません。
議員の場合は、支持層を育てるとともに知識と専門性の基礎を固め、人々に自分を理解してもらい、支持を勝ち取らなければなりません。
新任の立法委員には、ベテラン委員の言行を参考にすることを勧めます。臨時提案や国是論壇を練習の場とし、焦らず、絶えず学習して思考をまとられるようにしていけばいいでしょう。
自由な独身生活
Q:台湾の女性政治家の多くが独身ですが、どうお考えですか。ご自身は独身生活をどのように送っていらっしゃるのでしょう。
A:独身を悪い見本とか失敗ととらえるのは遅れた考えです。私は独身でいることを犠牲だと思いませんし、縁があれば結婚するでしょう。多くの人は私たちの猛々しい姿しか知らず、「優しくて控え目な」一面を知りません。そのために青春を数十年も無駄にしてしまいました!(笑)
後悔はありません。かつて交際した人たちも「いい人」ですが、時間が当時に戻っても結婚はしません。長く一緒にいれば、お互いに相手の欠点が目について不満が出てくるでしょう。
ですから、互いに無いものねだりをしても始まりません。独身の良い点は、広い世界に自由に遊べることです。私の母は「朝ごはんを食べるまでは朝、結婚するまでは子供」と言いました。ですから私は今も元気一杯なのです。
一人暮らしの今は、喧しい立法院から帰宅すると静かに本を読んだり音楽を聞いたりしています。既婚の女性立法委員は帰宅後も忙しくしているかと思うと、本当に敬服します。独身女性の皆さん、妥協してまで結婚してはいけませんよ。
両岸問題では驕らずへつらわず
Q:先頃、訪問団を率いて参加なさった海峡フォーラムについてお話しください。
A:開幕の祝辞で、私は杜甫の詩「人生交契老少無し、論交何ぞ必ずしも先ず同調せん」を引用しました。両岸関係は「異を残して同につく」べきで、共通の目標は平和と安定的発展、「異」は馬総統が述べた通り、主権の争議は棚上げし分治の現実を受け入れる、というものです。
私は台湾の代表として初めて、先人が台湾海峡を渡った奮闘の歴史を語りました。両岸の交流が深まるに連れ、大陸の発展を願う一方で、台湾人民は対岸からの尊重と善意を求めています。そこで私は、両岸は分かつことのできない文化の血脈でつながっているのだから話し合えない問題があるだろうか、と呼びかけました。対岸には、台湾と台湾人の感覚をより深く理解し、より思いやりをもって台湾と向き合うことを期待します。
将来の平和のためのプラットホームとして私は四点を提案しました。ECFAの後続効果を上げること、高等教育交流の継続、両岸文化フォーラムの開催、文化クリエイティブ産業の発展、そして今まで誰も提案しなかった歴史の真相の復元です。「国共史」を含めて新たな価値の基礎を築いてこそ両岸問題の根本解決につながるからです。
対岸との対話では、驕りもへつらいもせず、堂々と立場を明確にすることが大切です。私たちは両岸の平和を願い、対岸には台湾の期待と原則を理解していただきたいと希望しています。