1990年代、台湾企業は次々とカンボジアに進出し、荒れ地を切り開いて市場を開拓してきた。我が国の経済部国際貿易局の統計によると、2017年、台湾とカンボジアとの輸出入額は7億米ドルに達している。カンボジアの台湾企業団体である台湾商会は1996年に設立されてからすでに23年になり、今では400人以上の会員を擁する。
ビジネスだけではない。台湾の数々のNGOがカンボジアで人道支援活動を行なっている。医療サービス、井戸掘りから教育まで、いたるところで台湾人ボランティアの姿が見られる。今月号の『光華』は、カンボジアで活躍する台湾企業やNGOを取材するとともに、現地で芸術文化活動を行なっている台湾人にもお話をうかがった。
企業、NGO、芸術、教育、そして文化まで、さまざまな民間交流のエネルギーを通して、あらためてカンボジアに触れていただきたい。
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専門性が十分に尊重され、権限が授けられた時、デザイナーやアーティストは存分にその創意を発揮することができる。今月号では、オープンして間もない高雄の「衛武営国家芸術文化センター」と、開幕した「台中フローラ世界博覧会」をご紹介する。さまざまな専門分野のキュレーターやアーティストがそれぞれの理念を語ってくれた。公的部門と私的部門の協力で、いかに世界的な展示や公演が実現できたかをご覧いただく。
公共テレビ(PTS)が制作したドラマ『子供はあなたの所有物じゃない』は、台湾のテレビドラマとして初めて国際的な動画配信サービスNetflixで同時配信された。2018年7月の放送開始以来、内外で大きな反響を呼び、台湾ドラマの実力を世界に発信している。同じ公共テレビの東南アジア語ニュース番組でインドネシア語キャスターを務める潭雲福の物語もお読みいただきたい。中央研究院設立90周年の特集記事では、国内最高の学術研究機関が象牙の塔を開放し、開かれた機関を目指す姿をご紹介する。
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相聲の国宝級の大家である呉兆南が世を去った。その弟子であり、呉兆南相聲劇芸社の団長でもある劉増َزが、師匠との関係やエピソードを語ってくれた。劉増َزは師の教えを振り返りつつ、市井の話芸を後の世に伝えていくために、後進の育成に努めている。説(話術)、学(物まね)、逗(笑い)、唱(京劇などの一節を歌う)の芸を駆使した相聲の笑いの中には、人間に対する深い洞察が込められている。
演劇から相聲、学術研究からマスメディア、大型展覧公演活動、そしてカンボジアでの民間交流まで、『光華』は常に台湾の発展に寄り添い、その素晴らしい瞬間を記録していく。