台湾と中国大陸は言葉が通じ、大陸の人々が台湾でコミュニケーションに困ることはない。ただ、台湾海峡両岸は長年にわたって隔絶されてきたため、文化や生活習慣は異なり、その点では互いに適応する必要がある。
「光華」はこの時期に、台湾海峡両岸はこの観光ブームにどう対応すべきかを考える特集を組んだ。大陸当局は、旅先でマナーを守るよう自国民に呼びかけ、台湾への観光には資格審査を行なうこととした。一方、我が国では双方の通貨両替業務をスタートさせ、また旅行の質を保つために、料金の過度の引き下げを禁じた。大陸の人々に人気のある観光地もさまざまな工夫をした。故宮博物院では異業種と協力して晶華酒店が国宝をイメージした料理を出し、大渓の町では故総統である蒋介石と蒋経国をテーマにマーケティングを行ない、阿里山は登山鉄道に期待をかけた。
中国大陸からの観光客は、台湾にとって経済的に重要な存在であるだけでなく、政治的対立が続いてきた両者が交流と理解を促進し、誠意をもって往来できるようにすることが重要である。
それから長年がたち、当初心配された問題は現実のものとなったが、それは同時に、いかにして台湾のソフトパワーを発揮すべきか考えるきっかけにもなった。台湾には、大陸のように壮大な景観はないが、台湾の文化的景観はじっくり味わう価値がある。慌ただしく観光地を巡るのではなく、じっくりと時間をかけて文化の内面を味わわなければ、台湾の真の魅力は理解できない。
観光客の増減は数字の変化に過ぎないが、台湾を訪れた人は、台湾の人情味を感じることができる。だからこそ、大陸から訪れる人々にはゆっくりと旅を味わってほしいのである。
2008年、台湾は中国大陸からの観光客を受け入れ始めた。観光客は、台北の故宮博物院や阿里山、そして歴史ある小さな町などを訪れる。
2008年、台湾は中国大陸からの観光客を受け入れ始めた。観光客は、台北の故宮博物院や阿里山、そして歴史ある小さな町などを訪れる。