二大プラットフォームの統合
2010年末、StreetVoiceサイトを運営し、シンプルライフフェスを開く中子文化公司がiNDIEVOXに出資して呉柏蒼を同社の副総経理に招き、インディーズ市場の拡大に力を注ぐこととなった。
最初の仕事は、iNDIEVOXとStreetVoiceで重複する業務を統合することだった。iNDIEVOXはブログ機能を削除してダウンロード機能に徹し、一方のStreetVoiceは営利事業は行なわない単純な交流の場とし、両社のオフィスも一緒にした。
2012年、iNDIEVOXの年間売上は3000万近くに達し、多くのインディーズバンドが育った。「八三夭楽団」や「那我懂;你;的意思了」などのバンドがブレイクし、コンサートも大成功した。
方針の調整により2013年第一四半期の利益は前年同期比で50%成長、年間では2倍になる見込みだ。
iNDIEVOXの収益源は、ダウンロード、コンサートチケット売上、大型音楽イベントの三つである。
ダウンロード分野の伸びが期待でき、現在は中央研究院と共同で「音楽発見」機能を強化している。これはユーザーが楽曲を購入すると「音楽発見」プログラムがリズムやトーンの類似する曲を検索して試聴を勧めるというシステムだ。サイトでは24時間にわたってオンラインラジオ番組も聴ける。
チケット販売の分野では、台湾各地のライブハウスや大型コンサートの入場券を販売するほか、台湾最大のインディーズ・ライブハウスLegacy Taipeiのチケットはスマホでも予約できる。
大型イベントとしては、StreetVoiceの広がりを利用して2012年からライブ番組を制作し始めた。すでに人気バンドのライブを40以上収録しており、4月からCATVで「見証大団」として放送を開始した。
呉柏蒼のライブは非常に魅力的で爆発力がある。彼は上着を脱ぎ、ステージに倒れ、観客は大いに盛り上がる。彼にとってはバンドもサイトも起業であり、いずれもロックの夢を綴るものだ。ミュージシャンだからこそ、バンドと聴衆のニーズが分かり、メンバーとの信頼関係が生む創作エネルギーの強さも知っている。
iNDIEVOXは台湾で最も重要なインディーズ・コンサートのチケット販売サイトでもある(左)。右はこのサイトで自分のライブへの来場を呼びかけるアーティストの柯泯薫。