学校に色彩教育を
「台湾文化の色彩の定義は、多くの人の考えを結集したものであるべきで、すべての人が努力しなければなりません」そのために徐莉玲は、一般の人々の色彩の美意識向上に努め、またデザイナーには色彩の発想の源を提供することで、多くの人に台湾文化の色に関心を持ってもらおうとしている。学学基金会は教育部とともに「台湾芸術と教育人文教育啓蒙プラン」も進めている。
2011年、「台湾文化色彩」サイトは教育部から小中学校美育教材に推薦された。同サイトが紹介する作品の65%は小中学校の教材で取り上げられている台湾の重要な芸術家のもので、良い補助教材になる。しかし、受け身で待っているより積極的に出て行こうと、学学基金会は芸術や文化関係の教員のために「美感研修ワークショップ」を開き、各地方で美の鑑賞者を育てている。
教員たちは「学学台湾文化色彩」のホームページ(http://xuexuecolors.org.tw)のデータバンクを利用して子供たちに台湾の芸術家の作品に触れさせ、また子供たちはxuexue colorsのアプリを使って暮らしの中の色を「観察」し、地域の色を採集して色見本カードを作ることができる。
2008年、基金会は干支の形の芸術作品を通したチャリティ活動を開始した。干支をテーマにアーティストやデザイナーが創作に参加し、作品はチャリティ販売して、その収入で貧しい子供たちが多様な芸術美感カリキュラムに参加できるようにしている。2013年からは、子供たちに自分で文化の色を発見させ、干支の芸術品に色を塗る活動に参加できるようにした。
申年の2016年は、著名アーティストの荘普が創作した素焼きのサルの置き物「感動猴」に、子供たちが色を塗った。各地で採集した文化の色が台湾各地の文化を表現することとなった。
台北市内湖に住む子供は「マウス・シルバー」と「クラウド・ブルー」を使った。サイエンスパークのある内湖の環境を表現している。
馬祖の東引に暮らす子供は、現地の伝統建築に見られる「土黄色」や、東湧灯台の「白」、冬の渡り鳥であるウミネコの「灰黒」、藍眼涙(青い涙)と呼ばれる特殊な景観の「青」を使った。
花蓮県瑞穂郷の奇美小学校の生徒たちは、原住民族の勇士の服装に用いられる「黒」、秀姑巒渓の「灰」、集落名の由来である奇美草の「淡緑」、集落の木製芸術品の「浅褐」、それに奇美大崩壁の「深灰」などを見出した。
これらの色を集めれば、台湾各地の文化の色の一覧が形成されていく。
学学白色空間で開かれたチリ系スウェーデン人アーティスト、アントン・アルバレスの「How Long Is a Piece of Thread」特別展。白い空間に鮮やかな色彩が映え、観る者の感覚を刺激する。