台湾で中国語を学ぼう
台湾の法鼓大学で半年のカリキュラムを終えたばかりのクリス・ロウさんは、2012年からCIEEで中国語を学び始めた。彼が中国語を学ぼうと思ったのは、高校時代に東洋の宗教に興味を抱いたからだ。若い頃、人生にさまざまな疑問を抱き、答えを見出せずにいたため仏教に興味を持ち、カリフォルニア大学では仏教関係のさまざまな講座を受講した。
クリスさんは、台湾に来てみて初めて、台湾が想像していたより現代的なことを知り、何度も来るうちに、台湾とアメリカの文化の違いも深く理解するようになったという。
台湾の社会は保守的ではあるが、大切にすべき伝統の倫理を守っていると彼は感じている。欠点は、子供を過保護にするため、独立自主の精神が欠けている点だと指摘する。一方、自主性を求めるアメリカ社会では、若い世代は自分の将来を決める権利を有し、親はそれに口出ししない。すべて自分で模索しなければならず、そのために方向を見失うこともある。
カリキュラムを修了したクリスさんは、再び教育部の華語奨学金を得て台湾にやってきた。その時は、台湾大学と法鼓大学の二校から入学許可を得ており、どちらを選ぶか大いに悩んだという。そして、台湾大学ならアメリカの大学に入るのとあまり違いはないだろうと考え、最終的に法鼓大学を選んだ。「十年後に振り返ったら、すばらしい経験だったと思うはずです」と言う。
続いて、Brieanna Fuentesさんの話を聞いた。彼女は台湾に来てまだ3カ月余りで、Skypeを通して聞こえる中国語はクリスさんやニコラスさんほど流暢ではない。だが、彼女の指導を担当する王如敏さんによると、まだ台湾に来て間もなく、もともとシャイなBrieannaさんにとって、取材を受けるというのは大きな一歩だという。
アメリカのスリー・リバーズ・コミュニティ・カレッジで分子生物学を学ぶ彼女は、もともと恥ずかしがり屋なうえ、理工系で実験室で過ごすことが多かったため、話が得意ではない。台湾に来たばかりの頃も、なかなか口を開くことができなかったという。
外国生活には馴染めそうもないと思われたが、彼女は順調にカリキュラムを終え、休暇に入っても帰国せず、台湾の離島・澎湖へ向かった。実はネットで知り合ったボーイフレンドの実家が澎湖にあり、その実家の弁当屋を手伝ったりしながら過ごしているのだ。ニコラスさんとクリスさんと違い、Brieannaさんの中国語はまだまだだが、中国語の抑揚は美しいと感じている。
1970年代、「おいで、おいで、台湾大学へ。行こう、行こう、アメリカへ」という言葉が流行した。当時、アメリカ留学を目指す学生がいかに多かったかが伝わってくる言葉だ。時は流れ、今は「おいで、おいで、中国語を学ぼう」という言葉がふさわしい時代となったのである。
欧米や日本、韓国など世界各地から来た留学生が台湾の廟を訪れ、地元の雰囲気を味わう。
アメリカのCIEE国際教育交換協議会台北センターのディレクター張玉玲さん(一番左)と学生たち。平渓でランタンを空に上げる。
(左)CIEEの学生たちと切り絵アーティストの楊武士さん。工夫を凝らし、自分だけの切り絵に挑戦する。
(下)CIEEが実施する農村や芸術文化の体験カリキュラム。内容豊富で活発な授業に、学生たちは夢中になる。
(下)CIEEが実施する農村や芸術文化の体験カリキュラム。内容豊富で活発な授業に、学生たちは夢中になる。