台湾との深い関係
マレーシアの人口の約65%はマレー系、25%は中華系、7%はインド系である。多数を占めるマレー系の人々はイスラム教徒で、飲酒せず、豚肉は不浄として食さず、コーランの戒律にしたがって生活している。
そこで、イスラムの戒律から生まれたハラール産業が新たなビジネスとして注目されている。マレーシア政府のイスラム開発局(JAKIM)が発行するハラール認証が世界的に権威ある制度となっている。
マレーシアで二番目に多い中華系住民は、長年にわたって台湾と深い結びつきを持ってきた。
2016年の中華民国国慶節祝賀式典では、マレーシアの台湾留学同窓会の総会長である方俊能氏が世界の華僑代表として祝辞を述べた。
「華人は東南アジア全域に多数暮らしていますが、中華文化の維持と保存に最も力を入れているのはマレーシアです」と話すのは、在マレーシア台北経済文化弁事処の章計平代表である。
かつて華文教育が弾圧されていたマレーシアでは、中華系の人々が中華文化を守ろうと、民間で資金を出して華文小学校や独立中学を設立した。だが、その学歴が同国内では認められず、多くの学生が台湾へ留学して大学教育を受けてきたのである。これらの人々はマレーシアでは「留台人」と呼ばれている。
こうした経緯から、マレーシア国内の留台人は7万人余りにのぼり、その同窓会は52年の歴史を持つ。章計平はその同窓会のメンバーにも招かれている。50年余りにわたり、留台人はマレーシアのさまざまな業界で優れた実績を上げてきた。例えば、マレーシア中小企業協会全国総会長の江華強氏、マレーシア商工業協会理事長の劉康捷氏、マレーシア台湾経済貿易協会秘書長の徐忍川氏らは、いずれも台湾で若い日々を過ごし、台湾に特別な思いを抱いている。
留台人はマレーシアにおける台湾の重要な盟友であり、両国の教育交流は着実に「新南向政策」に取り入れられ、人材交流が進んでいる。
マレーシアの人口の半数以上を占めるマレー人はムスリムで、楽観的で非常に親しみやすい。