内容は学校の授業と同じ?
携手計画の目的は良いのだが、国民の税金を使うため、各界からの要求も厳しい。
「何事も質と実績を求める時代です」と、李家同教授は教育部の「資金をかけるだけで、成果を要求しない」方法を疑問視する。
「携手計画の理念は正しい」と黄秀霜学長は教育部の政策の必要性を肯定しつつ、自治体によってやり方が異なり、成果にも開き出ていると指摘する。
黄秀霜学長が各地を視察したところ、非常に熱心にやっている自治体もある。例えば台東県の海瑞中学は、僻地にあって通学範囲も広いため、補習の教員が自ら生徒を送り迎えしている。その一方で、計画の趣旨を理解せず、経費を優秀な生徒の指導に使いたいと言う校長もいるのが現状だという。
政府の携手計画が博幼と違うのは、早く公平かつ大規模に進めるため、教員の8割は現役の教員で、大学生は7%だけという点だ。
現役教員は生徒の状況やレベルをよく理解しているので、補習を授業の延長として行うことで、適応や模索の時間を省略できると呉林輝科長は言う。大学生は若くて創意があるが、教育現場での経験はない。またアルバイトにせよボランティアにせよ、ずっと教えられるわけではないので、安定性に影響する。現役教師の場合、1クラス6-12人と負担は少なく、時給400-450元が支払われる。
だが、日常の煩雑な学校業務に追われ、すでに過労気味の小中学校教員にとっては、やはり少なからぬ負担である。
「朝7時から夜7時まで12時間の授業というのは生徒も教師も疲れ果ててしまいます」と話すのは、「建和書屋」(23ページの記事を参照)の協力を得て、非教員が「携手計画」の授業をしている台東県知本中学の李信弘教頭だ。李教頭は、環境や先生が変わり、教え方も変わってこそ、子供たちはリラックスできると言う。ましてや補習の必要な子供は、従来の教え方では効果が出ていなかったのである。
台東大学教育学科の陳淑麗准教授の調査によると、携手計画に参加している教員の91.3%は「補救授業および放課後補習授業」に関する専門的訓練を受けていない。
補救授業は一般の授業とは違うと陳准教授は指摘する。携手計画はその専門性を軽んじており、補習の内容も「作業指導」を主としている。中学のそれは塾のようなもので、特別な教材もなく、表面的な措置にとどまっているため、根本的な解決にはつながらないと言う。