サーフィン・温泉・鍋料理
「風が良くて波も良い場所は、世界でもなかなか見つかりません」とニックは言う。普段はフランスのビアリッツやオスゴールなどでサーフィンをしているが、冬はやはり寒すぎる。だが、台湾では10月から2月にかけて波が良く、ほぼ毎日サーフィンができるのである。
2022年、ニックがネットでサーフィンスポットを探していたところ、台東県都蘭のサーフショップの写真にひきつけられた。そして詳しく調べた後、台湾に来ることを決めたのである。「世界地図で台湾を探すのは容易ではありませんが、台湾に来た初日から台湾人の優しさに触れました。MRTで迷っていると、必ず誰かが行きたいところまで連れて行ってくれ、中国語もできないのに少しも困らなかったのです」と言う。
フランスからウィンドサーフィンのボード2枚とサーフボード1枚を空輸したというニックは、台東の風と波を絶賛する。「都蘭の波は非常に安定していて、パワーがあるのに危険ではなく、腕を磨けるのです」
彼は毎朝起床すると、まずコンビニにコーヒーを買いに行き、続いて波の様子を観察する。「波が大きければサーフィン、風が強ければウィンドサーフィンをします。ウィンドサーフィンはサーフィンの『いとこ』ですから」と笑う。
彼はサーフィンをしにたくさんの国を旅してきた。多くの国では天候によって3日サーフィンをすると2日は休むことになるのに対し、台湾では毎日波に乗ることができる。非常に体力を消耗するスポーツのため、「鍋料理を食べ、知本や紅葉の温泉に行くというのが体力回復の最良の方法です。特に薬膳の鍋は非常にヘルシーです」
「もし仕事がなければ、ずっと台湾にいたいぐらいです」と言う彼は、スイスとフランスで働きながら、毎年半年以上は世界各地でサーフィンをしている。どんな波に対しても集中力を高め、将来も過去もなく、今だけを考えるのである。
サーフィンは心身を研ぎ澄ますスポーツで、心を満たし、人生を楽しむことができるとニックは言う。さらに重要なのは、台湾で多くのサーフィン愛好家と出会えることだと言う。2023年にもサーフィンの季節に台東に3ケ月滞在しに来た彼は「これからも毎年、この季節に台湾に来るつもりです」と言う。
哇軋力共サーフ&SUPハウスでは毎年、台東ウェーブクラシックを開催しており、世界各地からサーファーが集まってくる。(台東ウェーブクラシック提供)