管理の知識を活かした栽培計画
一般の農家は高値で売れる野菜を植えるが、彼女は違う。キャベツの価格がどんなに高騰しても、さまざまな野菜の季節を考えて長期的な栽培計画を立てている。だが、彼女が必要とする苗が手に入らないことがあり、それならと自分で苗から育てることにした。
今では育苗をマニュアル化して公開し、他の人が参考にできるようにしている。「私は困難な道を歩み、失敗を重ねてきたので、これらの情報が私と同じようにお金のない人の役に立てばと思うのです」と言う。
最初は流通経路も限られていたが、彼女は積極的に市場やフェアに足を運び、食の安全を重視する基金会から注文を受けることに成功した。最初は1.8キロの注文だったのが、週に60キロまで増え、安定的な顧客になっている。
計画にしたがって育苗して栽培するため、供給も安定しており、有機認証も取得していることから、チェーンスーパーの全聯が小規模農家直送プランを打ち出してから、邦査農場は20店舗からの注文を受けられるようになった。
最初の2年は病虫害に遭い、農場経営は厳しかったが、泣いても仕方がないと歯を食いしばった。今では農場の収益は安定し、集落の女性たちに雇用の場も提供できるようになり、平均55歳の女性8人が働いている。土地があればそこに仕事がある。蘇秀蓮の努力は「勤労が五穀を豊かに実らせる」物語と言えるだろう。

蘇秀蓮は伝統や僻地、ジェンダーやエスニックなどの壁を乗り越え、大地にやさしい有機農場を開き、包括的で持続可能な発展に取り組んでいる。

邦査農場ではアミ族の伝統を受け継ぎ、病虫害に強い野生の植物を栽培している。

邦査農場の有機野菜はより分けて整理すると、その日のうちに全聯スーパーへ出荷される。

ヤシの芽の皮をむいて芯を取り出す蘇秀蓮。これは台北のレストランで珍味として供される。

邦査農場では、栽培計画にしたがって旬の野菜を植えていく。

邦査農場は、集落の先住民族、特に女性たちに雇用の場を提供している。(林格立撮影)