はるかフランスやスイスからやってきた神父たちが、台湾に数えきれない事績を残してきた。数十年をかけてフィールドワークを行ない、先住民言語の辞書を編纂し、口述の歴史の記録を可能にした。資源回収を通して、弱者に生命の価値を取り戻させ、また教育と互助社設立を通して貧しい家庭や障害を持つ子供たちを救ってきた。
こうした地域に根差した奉仕と努力は、私たちの心に深く刻まれており、言葉だけで感謝を表すことはできない。今月の『光華』では、写真と文章にこうした神父たちの事績を留め、その感動と感謝の気持ちを永遠に引き継いでいきたいと考えた。
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文芸作品は、直接的あるいは間接的に時代を反映する。その勇敢な実験の精神は、出版市場がさまざまな課題に直面していても変わることはなく、これまでとは異なる次元の火花と生命力をほとばしらせている。
『字母会』はA未来、Bバロック、C独身といった現代思想を象徴する語彙をアルファベット順に並べ、作家たちがそれぞれ短編を創作するという試みである。作品同士が独立しつつ相呼応する。もう一冊の『華麗島軼聞:鍵』は、作家たちが互いに伏線を敷きつつリレー形式で書き進めた共作で、両者は期せずしてゲームのような実験性を見せ、今という時代の閉塞感に突破口を見出そうとしている。
台湾では、海外から移住してきた新住民に台湾文化との共通点や相互補完できる点を見出してもらうことが課題となり、政府機関や民間団体が努力している。今月号では、全国に先駆けて新住民による町づくりを開始した屏東県の事例をご覧いただきたい。
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一つの時代の記憶は古跡として保存することで受け継がれていく。辛志平校長の旧宅を訪ねると、旧新竹中学の自由な校風が感じられる。最も有名な月次動員会、塀のない学校、卒業生が集まる応接間など、まさに校長が残した「誠慧健毅」の校訓が今も校門に掲げられている通りである。新竹中学の自由で開放的な学風は、台湾の教育史に大きな足跡を残してきた。
古い装飾タイルも一つの時代の記憶と言える。1915~1930年に流行した装飾タイルは、当時の建築物を美しく彩り、伝統の赤レンガの三合院建築と相まって独特の美を生み出し、海外からも注目されている。台湾の美は、身の回りのそこここに潜んでいて、それを愛でる人の訪れを待っている。