文化外交で友好関係を深める
史亜平次官は記者会見で次のように述べた。外交部がアイドルドラマを通して外交活動を行なうのは今回が初めてである。台詞をすべてスペイン語に翻訳して吹き替えも行い、それを中南米のスペイン語圏に輸出するというのは容易なことではなく、その過程には多くの困難があった。今はその成果も得られ、ニカラグア、エルサルバドル、ホンデュラス、グアテマラ、パラグアイ、チリ、エクアドル、アルゼンチンの8ヶ国の10のテレビ局での放送が決まった。ニカラグアでは早くも4月末から放送が始まる。
2014年9月に、アイドルドラマのスペイン語圏進出計画がスタートして以来、外交部は多くの時間と労力をかけてきた。まず中南米の在外公館を通して現地テレビ局の意向や好みを理解し、国内では100本余りの優良ドラマの中から視聴率や受賞記録などによって10作品を選び、さらに国内に在住する中南米の専門家や同地区のテレビ局などに評価と選考を依頼した。
こうして二回の審査を経て『犀利人妻(邦題:結婚って、幸せですか)』を選出し、さらに半年以上の時間をかけて全編のスペイン語への翻訳と吹き替えを行なったのである。
史亜平次官によると、中南米地域を選んだのは、ここが我が国の外交にとって非常に重要な地域であり、政府は中南米の友好国との関係を非常に重視しており、文化交流を通して関係をさらに深めたいと考えているからである。
また、中南米にはスペイン語を使う国が18カ国あり、さらに欧米のヒスパニック系住民を合わせると、世界のスペイン語人口は4億人を超える。中南米経済は急成長して中間層も増加しており、外交部は台湾企業の海外市場開拓にも協力したいと考えている。史亜平次官は、この新しい交流モデルが国内のテレビドラマに新たな市場を開くことを願っていると強調した。
外交部では、我が国の優れた文化を世界に知らしめるために、毎年、在外公館による台湾映画祭や写真展などの開催に協力しており、また優れた文化団体の海外公演などもサポートしている。
記者会見に出席した外交部の史亜平次官(左から5人目)と『結婚って、幸せですか』のメインキャスト、そしてラテンアメリカ友好国の駐華使節。