今月の光華は書籍と密接に関わる「図書館」がテーマである。先ごろ「一生に一度は行きたい台湾の図書館トップ10」がオンライン投票で選出された。自然光が差し込む高雄市立図書館総館や、中華の食文化に関する蔵書で知られる中華飲食文化図書館、そして24時間サービスの新北市図書館総館などが名を連ねた。
今年、台湾の出版界を最も驚かせたのは、働く人々を対象とする「塗り絵本」の大ヒットであろう。ゼンタングル(Zentangle®)に源を発する塗り絵にはヒーリングの効果があると言われ、ゼンタングルは思いのままに絵を描くことを教える。美しく繊細な線画に色を塗っていく作業は、人の心をしずめてくれるという。
今月号ではさらに「植物のノアの箱舟」と称えられる辜厳倬雲保種中心(種の保存センター)をご紹介する。屏東県高樹にある同センターは台湾最大の熱帯生体植物の収集・研究センターで、熱帯植物の種の保存センターとしては世界でも最大の規模を誇る。
11月に入り、台湾は雨の多い季節を迎えた。私は若かりし頃、ガンズ・アンド・ローゼズの「ノーヴェンバー・レイン(11月の雨)」という歌に夢中になったことがある。その歌詞に「冷たい11月の雨も、いつかは止むものだ」とある。「一雨ごとに寒くなる」と言われる11月、お身体を大切にお過ごしいただきたい。