「創意は突然ひらめく電球だと思われがちですが、そうではありません」と姚仁喜は言う。建築ならきらびやかな外観は目につきやすいが、内在する空間、構造の機能こそが建築の本質だという。深いトレーニングがあって初めて創作が自然なものになるのであり、小手先の技ではない。
毎年新しい舞台を生み出す唐美雲は、父の指導のもと毎日欠かさず練習した。蹴り、回転、柔軟、刀・槍の扱いのほか、ろうそくの灯で眼力も鍛えた。辛い練習に加え、歌仔戯の「小生」を演じるために、毎日海辺へ行って、声がかれて個性的なイメージになるまで大声で叫んだ。「弓を引いたら最後、戻ってくる矢はない」唐美雲は歌仔戯を夢に描く台湾オペラのレベルに引き上げるためにすべてを注ぎ、今日があるのである。
1994年から宜蘭で田中央事務所の準備を始めた黄声遠は、道路敷設や水路工事から始め、一歩一歩環境を改善してきた。後に広く知られる美しい建築の数々を完成していった。
深くかがむほど高くジャンプできる。こうした基礎を積む態度は、目まぐるしく変わる環境にいる現代人に、多くの自省を与えてくれている。