環境教育は型にはまった味気ないものなのだろうか。雪覇国立公園は環境教育の人形劇を打ち出した。ユーモラスで楽しく、しかも環境教育として有効な芝居で、登場する阿鮭が希少なタイワンマスが遭遇する環境の脅威を教えてくれる。人形劇を始めたきっかけから物語の発想と制作、上演までのあれこれを、脚本家や上演者、国立公園管理処のスタッフなどに語っていただいた。また、氷河期から残る貴重なタイワンマスの保護と回復の過程、そしてそれがもたらす環境への貢献についても詳しくご紹介する。
この夏、台湾の鉄道史上、重要な役割を果たしてきた二つの国定古跡――鉄道部庁舎と台北機廠が一般の見学に開放された。台北の大佳河畔ではワールドミュージック・フェスティバルが大盛況を収めた。それぞれが鉄道ファンと音楽ファンを楽しませ、台湾の文化は一層深いものとなった。
クリエイティブ産業が集まる台中の一角で、プライベートキッチンや画廊、カフェ、ワークショップや雑貨店が静かに個性を放っている。まるで大型の芸術文化プラットフォームかのように、ユニークで希少な商品が並び、それぞれの創意を感じさせる。創意と言えば、インドネシアから台湾に働きに来ているピンディさんの捏麺人(小麦粉人形)も忘れてはならない。彼女はインドネシアの文化と台湾の捏麺人工芸を融合させて、ジャワの婚礼の様子やガムランの伝統楽器などを色彩豊かな人形で表現する。
同じく創意を発揮して「鶯歌の故宮」と称えられるのが芸術磁器の臺華窯である。鶯歌の陶磁器産業の栄枯盛衰を経て、臺華窯は揺るぎない地位に上り詰めた。成形から焼成まで一貫した技術をもって芸術家の要求に応え、またそれが芸術家を惹きつける。こうして台湾色絵磁器の重要なプラットフォームとしての地位を確立した。
インドネシアのスタートアップ企業から、雪覇国立公園の人形劇、台中のクリエイティブ集積地、そして臺華窯の作品まで、尽きることのないクリエイティビティこそ、台湾が拠って立つ重要な資産であろう。