省エネプログラムで台湾を照らす
この大企業による試験は大きなチャレンジであった。製鉄所は温度が高く、塵埃も非常に多いため、ここに設置した一般の道路灯はすぐに壊れてしまい、年に何回も新しい電球に取り換えなければならないという。そこで中国鋼鉄公司は、もし興台光科技の道路灯が2ヶ月故障しなければ、これを採用すると約束した。
黄君豪は、これは自社製品にとって最良の試験になると考え、すぐに無料で道路灯を設置した。すると彼らの製品は2カ月間故障しなかったどころか、3年も故障せずに持ったのである。中国鋼鉄はこの結果に非常に満足し、工場全域での使用を決定したのである。
黄君豪は大企業を相手に、自社製品を使った省エネプログラムを売り込んでいる。それは、この製品を使うことで節約できる費用で、照明器具の設置料金がまかなえるというものだ。例えば、台湾中部のある町役場は興台光科技から2300基の道路灯を購入したが、購入時には一銭も支払う必要はなく、この製品による節電で浮いた分の電気料金を毎年支払えばよいというプランである。興台光科技は「ルートは王道、価格と品質は覇道」を合言葉に、さらに多くの途上国の新興市場を開拓しようとしている。
現在、興台光科技の製品は台湾南部の一部の道路や、高雄市の愛河河畔に建つ高層ビルの屋上で光を放っている。黄君豪によれば、同社はすでに安定経営への第一歩を踏み出し、市場を世界に広げつつある。そして、同社の製品の特許が外国で認められるたびに大きな励みを感じるという。現在の同社の目標は、商品パンフレットに書いてある通り「台湾を明るく照らす」ことであり、この夢に向かって邁進している。
黄氷川と黄君豪は毎日忙しく働きつつ、時々足を止めて台湾の夜空を見上げれば、自社製品がそこを明るく照らしている。将来は、自分たちが開発した照明設備が台湾と同じように海外の夜空を輝かせるようになると彼らは信じている。
興台光科技が開発した技術は多くの国で特許を取っており、照明分野の国際大手であるフィリップス社も参考のために同社を訪れている。 (興台光科技提供)
高雄の愛河河畔に建つ高層ビル屋上の造形を照らすのも興台光のCDMランプである。(興台光科技提供)
屋外用の省エネ照明器具の開発に取り組む興台光科技は「台湾の光」と呼ぶにふさわしい。(興台光科技提供)
高雄の愛河河畔に建つ高層ビル屋上の造形を照らすのも興台光のCDMランプである。(興台光科技提供)
高雄の一部の道路ではセラミック・ディスチャージ・メタルハライド(CDM)ランプが道路を明るく照らしている。