今年(2020年)1月に出版された光華専書『台湾意象』は、台湾の北部、中部、南部、東部まで各地の地理や文化、環境保全、自然、産業を紹介する一冊だ。「自転車で行く台湾」の章もあり、「自転車でスロートラベル」「人文風景」「創生の夢」「新旧交融」「大塊奇観」などのテーマで台湾全体のイメージを伝える。
この一冊は、宝島台湾に暮らす人々の努力を映し出し、複数の言語で世界の人々に台湾の良さを伝える。まさに作家・褚士瑩の言葉の通りである。「長さ400キロにおよぶ『樟之細道』……私は心の底に熱いものが湧きあがるのを感じる。一枚一枚の美しい写真をめくりつつ、おのれの足でこれらの古道や農道、登山道の美しい景色の中を歩けることを渇望するのだった」
本書のもう一人の推薦者であるトルコ出身のエンターテイナー呉鳳はこう語る。「一般の外国人の台湾に対するイメージと言えば、ハイテクか自転車だろう。しかし、私と同じように実際に台湾に来て、台湾の景色を見て人情や民俗に触れてはじめて、台湾が特別な場所であることに気づくのである」と。これこそ私たち『光華』が40年にわたって絶えず努力してきた目標でもある。
台湾は常に世界と歩みをともにしている。再生材料の応用から循環経済の実践まで、そして台湾AIアカデミーの創設から外交部のデジタル外交推進まで、常に世界とともにある。また国家文化芸術基金会が実施する海外芸術交流プロジェクトは、世界各地の芸術と文化をつないだ創意と啓発をもたらす。これら台湾内部から生まれるイノベーションのエネルギーが、台湾を一歩ずつ前進させているのだ。
このほかに、今月号では台湾固有の植物アイギョクシ(愛玉子)をご紹介する。天然のアイギョクシは山の中の大樹に巻き付いて生長し、非常に高いところにたくさんの実をつけるため、これを採集するのは危険な作業である。この問題を解決するために、農業改良場の技術者は、平地で育ち、たくさんの実をつける品種を開発した。またバイオ技術で成分を抽出したところ、美白マスクや美容液が作れることが分かり、台湾の農産物の付加価値がさらに高まった。
今月号でこのほかにご紹介するのは、屏東県枋寮で、環境と共生する木造家屋を一人で建てる楊三二の物語。それに客家語の枠を抜け出して素晴らしいドラマを作り続ける客家テレビの物語である。『光華』の記事は、台湾のエネルギーを示すとともに、世界とつながる窓でもある。これからも台湾の人・事・物を世界に紹介し、世界との交流を深めていきたい。