都会に植樹できる土地を探す
都市部に緑を増やそうとしているのは台湾好植地(Patch by Planting)だ。その発起人である劉哲瑋によると、台湾の土地の6割は公有地で、それぞれに管理機関があるが、すべての部門に緑化の能力や予算があるわけではない。一方で、多くの企業やNGOは、二酸化炭素削減のための緑化に積極的だが、植樹ができる場所をなかなか見つけられずにいると言う。
そこで台湾好植地は、衛星のデータと地図情報を重ねて分析し、さらなる緑化が可能な公有地を探し出し、植樹できる土地を探している人に情報を提供するためのプラットフォームを構築した。
このチームのメンバー8~9人は、それぞれ生態や景観プラン、プログラミングなど多様な専門分野を持ち、それぞれが力を発揮している。例えばイギリスで働いている林浩雯は、植樹可能なエリアの気象、日照時間、風向、地形などのデータを取り込むプログラムを設計し、景観デザインの参考に提供している。中央研究院で働く李思賢は、植樹可能な地域の資料ページを整理して、林務局が発表している台湾原生植物指南など、政府の公開資料と統合して可視化している。
これらの創意をもって彼らは2020年に総統杯ハッカソンに応募し、エクセレンス賞を受賞した。桃園市はこのアイディアを採用して市有地を整理し「森愛桃園」プラットフォームを打ち出し、植樹に意欲を持つ企業や団体が、土地を探しやすいようにしている。
「台湾好植地」の植樹プロジェクトにはさまざまな背景を持つボランティアが参加している。劉哲瑋(左)はランドスケープ‧プランナー、李思賢(右)はプログラマーだ。