交通至便、衛生環境も良く、観賞に最適
東華大学自然資源・環境学科の楊懿如准教授によると、全世界のカエルの種が実に六千種余りに達するのに対して、台湾には33種しか生息していないが、単位面積当りのカエルの密度は、実は世界でも一、二を争うトップクラスだと言う。
その上に、台湾のカエルの3分の1は、台北樹蛙や面天樹蛙、諸羅樹蛙(いずれも台湾固有種で樹上棲のアオガエルやアマガエルの仲間)である。その特色は水かきが大きな吸盤状に膨らんでいて、木の葉の間を軽々と登り、緑の皮膚は外部環境に応じて濃淡が変化するというもので、全体的に可愛らしい姿をしていて、一般の人の鑑賞に向いている。これが、台湾はカエル観賞に向いているといわれる由縁でもある。
実際に各地でカエルを観察してみると、それがよくわかる。カエルが可愛らしいのは別としても、鑑賞向きの環境が整っているという点も台湾は指折りなのである。
カエル観察のために世界各地を旅行している楊准教授によると、アフリカは確かに動物の楽園だが、日が沈むと野生動物の攻撃を受ける可能性があるため、危険なので外出できない。タイやマレーシアなどでは、国立公園でも標識が不明確で、道に迷いやすく、あちこち探しまわって、カエル観察が迷宮の旅になってしまう。
しかも、カエルのいる場所には蚊が多い。自然資源は豊かであるが経済発展の遅れた国では、カエル観察は蚊の攻撃に耐えねばならず、さらにデング熱感染の危険が付きまとう。ということで、安全かつ便利に一家そろってカエル観察に出かける場所と言えば、この台湾が一番向いているのである。
「特に台北ですと、都市交通が整備されていてカエル観賞歩道は家の庭を歩くように近場で楽しめます」と楊准教授は勧める。
ヒメアマガエルの仲間は、オタマジャクシの時は身体が透き通っている。