バブル王とバブル名人の出会い
2007年、30歳を迎え5月に結婚したての林劭錡は、父・林孟盛から喜びを作る企業を引き継いだ。父が築いた基礎に立ち、苦心してOEMからブランドイメージ確立へと前進していく。
昨7月、チャンスが扉を叩いた。「Be Fantasy」を設立しマジックパフォーマンスに従事する蘇仲太がシャボン玉ショーの練習をしたいと訪れた。二人は意気投合する。和盛は無料でシャボン液を提供し、蘇仲太に練習させた。「和盛のシャボン液でハイレベルに遊んでもらえば、最高の宣伝になります」と林劭錡はいう。
31歳の蘇仲太は台北芸術大学戯劇学部を卒業後、自分の外見では演劇界では成功し難いから、マジックに路線換えしようと練習に励んでいた。インターネットで海外のシャボン玉ショーを目にして以来「台湾一の名人」を目指す。
林劭錡の力強いバックアップの下、蘇仲太は半年こもりきりで毎日4~8時間練習し、シャボン玉の「個性」を理解していく。最初は強く吹いてシャボン玉がすぐ壊れたが、じきに安定した息が重要だと気づく。肺活量を鍛えようとジョギングを頑張り、半年で息が続くようになった。
シャボン玉のライフサイクルを「色で見る」テクニックも学んだ。「最初のピンクや緑は一番強い時で、手を加えるのに適しています。徐々に紫に変り、黄色、水色が現れたら崩壊寸前です」
シャボン液の伸びと持久力はシャボン玉が大きく長持ちするための鍵だが、シャボン玉の特性理解とテクニックが、成功率を引き上げる。
「湿度が大切です」シャボン玉に触れる物は全て濡れていないと、シャボン玉は壊れてしまう。また、重力でシャボン玉の水分子も下へ流れるから、上端が最も弱く、ここから壊れ始める。ストローを挿すときは上を避けて側面から入れる。
オリジナルの新技「マジックキューブ」。アクリル板を利用し、上下段それぞれ三つのシャボン玉をくっつけ、白い煙を管で中央に吹き込む。物理の原理によって中央のシャボン玉は四角くなり、手を伸ばしてそのシャボン玉を取り出すと、玉ははじけて白い煙が噴き出す。