野球の実況中継、講談、子供向け番組、それにラジオ・ドラマや漫才、夜のクイズ番組、さらにはミス・チャイナ選抜コンテストの実況中継まで、どれも当時のラジオでは大変人気のある番組だった。
「光華」は1983年、「ラジオの恋人」と呼ばれたラジオ・パーソナリティの李季準を取材し、インタビューした。その低く深みある声が、台湾のリスナーに40年も付き添ってきたのである。
41年前に李季準は深夜帯の「感性時間」で人気を博して一世を風靡した。そこで中国広播公司(BCC)は特別に夜7時に李季準の番組「知性時間」の放送を開始し、彼は多い時には一日5番組を持っていた。またBCCでは、最初のプロデューサーとしても招聘された。
「華貴ブランドのストッキング、腰から下は全部透明」というのが、李季準にとって最も忘れがたいラジオ・コマーシャルのナレーションの台詞である。
李季準がCMナレーションの仕事を受けたのは、1973年にプロデューサーとなってから、自分の月収は2470元なのに、5人のアシスタントに一人当り3000元の給与を支払わなければならなくなったからである。そこでやむなくCMスポンサーを探し求め、ここから馴染み深いCMナレーションを数多く残した。
多くのリスナーにとって、甘酸っぱい青春時代を共に過ごした李季準の声だが、72歳になった彼は2015年にラジオ金鐘賞の特別貢献賞を受賞した。これまでにも金鐘賞を5回受賞しており、今回は6回目の受賞ということで、今も懐かしく耳に残る低く味わいのある声を、いま一度思い起こさせることになった。
初代「ラジオの恋人」と呼ばれた李季準は5回にわたって金鐘賞を受賞している。背は高くないが、台湾の放送界の「巨人」である。
初代「ラジオの恋人」と呼ばれた李季準は5回にわたって金鐘賞を受賞している。背は高くないが、台湾の放送界の「巨人」である。