「台湾の菓子には二種類ある。一つは皆とシェアする菓子、もう一つは神のご加護を祈るための菓子である」と『我的幸福糕餅舗(私の幸せな菓子店)』の著者・張尊楨は語っている。甘い菓子は重要な祝い事などとともに美しい思い出を残す。今月のカバーストーリーでは古くからの懐かしい菓子(麻粩、糕點、新港飴)、伝統と革新(パイナップルケーキ、奶油酥餅、緑豆椪)、塩味の効いた菓子(竹塹餅、カレーパイ)、そして新住民が台湾に持ってきたココナッツシュガーやパームキャンディなど、台湾の様々なスイーツをご紹介する。
今月号では台湾西部の交通と経済に大きく貢献した西螺大橋もご覧いただきたい。「西螺の住民にとって大橋は故郷のシンボルです。私たちは一つの時代を築いた橋の意義を守り、地域文化と結び付けて長く保存していこうと考えています」と、螺陽文教基金会の何美慧執行常務董事は言う。2001年と2005年、雲林県と彰化県は西螺大橋を歴史的建造物に指定した。橋の上で文化フェスティバルや芸術展を催し、古い町並みの観光と結びつけることで、西螺大橋の輝きを保っている。
毎年冬になると、南台湾の谷間に数十万匹のルリマダラが集まってきて越冬する。枝に停まる姿はまるでブドウの房のようで、溝で水を飲む姿はチョウの絨毯のようだ。この独特の景観をとらえようと、CNNやBBC、ナショナルグラフィック(TV)なども取材に訪れた。チョウは越冬の時期に何をしているのか、台湾の4種のルリマダラはどう見分けるのか、ぜひ記事をお読みいただきたい。
先月号の「フィリピン」取材に続き、今月号では現地で活動する台湾技術団やNGOをご紹介する。彼らは「台湾経験」をどのように生かして現地の暮らしを改善しているのだろう。「彼らがもともと栽培している作物の中から現地の気候に合った品種を選び、作物の多様性を高めています」と技術団の李泰昌団長は語る。
このほかに今月号では、マーシャル諸島共和国のカッティル大使へのインタビュー、工業研究院中分院が開発した植物由来の卵やロブスター、スタートアップ企業のLypidが打ち出した世界初の植物由来の豚バラ肉など、台湾の技術が生み出す新たな代替タンパク質をご紹介する。そしてフォトエッセイのテーマは「原住民族のイメージ」だ。これらの記事を通して、台湾のイメージを読者の皆様の心に刻んでいければと願っている。