便利で楽しい観光アプリ
「旅行台湾」は交通部観光局が計画し、中華電信が受託設計開発したもので、アップルのApp StoreとGoogleのGoogle Playからダウンロードできる。中国語版と英語版があり、内外の旅行者が利用できる。昨年6月にスタートして以来、すでにのべ30万人がダウンロードし、今では政府が提供するアプリの中で第二の人気を誇る。第一位は同じく観光局の「阮的夜市人生」ゲームだ。
「旅行台湾」は、合法的に登録された全国のホテル、旅館、民宿情報を網羅しているが、観光スポットはまだ800件余りで、大型の著名景勝地や行楽スポットが中心である。
観光局企画組の趙志民科長によると、この2月からは、2年前にスタートした「観光情報データバンク」と統合する予定で、統合すればアプリ上の観光情報は6000件以上になり、大通りから裏通りまですべて網羅される。さらに各自治体が提供する情報もリアルタイムに更新されるため、台湾を訪れた旅行者にとって信頼できるガイドとなる。
台湾のどこにいても「旅行台湾」にアクセスすればGPSで自分の位置が分かり、行きたいところを自由に調べられる。気ままな個人旅行者にとっては、最も使いやすいアプリケーションだ。
昨年末に台湾に個人旅行に来た日本の中村さんは、台北の中正紀念堂を見学した後、「旅行台湾」にアクセスした。「付近の案内」から「観光スポット」を選ぶと「袖珍博物館」が出てきた。これはガイドブックにも紹介されていない場所で、「アジア初、世界で第二のミニチュア博物館。コレクション規模は世界一」とあった。中村さんはスマホの他の機能を使って袖珍博物館の正確な位置を確認し、そのアドバイスに従って移動した。
博物館見学を終えると、再び「旅行台湾」を開き、付近のレストランや商店の案内を見て食事の場所を決め、その後はアプリの道案内でMRTの乗ってホテルへ帰った。「本当に楽しい一日でした」と話す中村さんは「旅行台湾」の内容はもっと楽しいものにできるはずだと語った。
その話によると、日本の観光庁はIT企業と協力し、昨年「Visit Japan with HELLO KITTY」というアプリを打ち出したそうだ。日本各地の御当地キティが登場し、一緒に記念写真を撮ることもできる。「外国人はハローキティを見ると日本を連想するので」と中村さんは観光PRの手法を説明する。
交通部観光局は昨年の「旅行台湾」に続いて「阮的夜市人生」と「踩踩卡打車」というゲームアプリを発表、これも観光推進を目的とする。
「踩踩卡打車」は、自転車の旅を愛する人々のためにデザインされ、好評だが、ダウンロード件数は伸びていない。「阮的夜市人生」はナイトマーケットという主流の観光スポットをテーマとしている。
観光局が最近行なった海外観光客消費および動向調査によると、夜市は人気観光スポットの中で常にトップにランクされており、台湾観光で最も魅力的な文化の象徴となっていることがわかる。
「阮的夜市人生」はすでにのべ40万人以上がダウンロードしている。ユーザーは観光情報を読まなければポイントを獲得できないので、観光推進の役割を果たす。趙志民によると現在のユーザーの大部分は台湾人だが、旧正月後には海外からの旅行者に「旅行台湾」と合わせて無料で提供する。
多くの国や都市では、モバイル端末のアプリを旅行サービスの重要なツールとしている。写真は、交通部観光局が提供するアプリ「旅行台湾」の指示に従って故宮博物院を訪ねるところ。