イベント400回、サイエンスパークの宴会課長
2001年には、マイタック社が新しい事業のチャンスを与えてくれた。予算86万元のファミリーデーのイベントを依頼されたのである。そこでスポーツ関係者の人脈を生かし、野球の設備などを使い、誰でも楽しめるゲームを取り入れたイベントを開催した。これが評判となって依頼が相次ぎ、そこで悍創運動行銷公司を設立したのである。
設立当初、すでに数社のスポーツマーケティング会社が存在したが、イベント企画は屋台グルメやバスを借りて遊園地に連れて行くだけというもので、どこも似たり寄ったり、参加意欲をそそるものではなかった。
しかし、スポーツ好きの悍創二人組はアイディアで勝負し、新しい企画を打ち出した。親子向けにテレビ局の子供番組を遊園地に持ってきたり、台北第一女子高校の校長を説得し、通常は出演を断られる同校のマーチングバンドを、UMCの25周年イベントに呼ぶことに成功した。
イベント企画の中で、実験室に閉じこもるエンジニアたちは運動嫌いなため、イベントも楽しめて新しいアイディアでなければならないことを発見した。
張運智によると、売り物は健康的で楽しいの二つで、悍創公司ではないと面白くないと思われることが鍵であると言う。
イベント予算は数万から数百万まで差が大きいが、2004年には売上1.4億台湾元と、すばらしい実績を上げた。
今日まで、悍創公司が新竹サイエンスパーク企業向けに請け負ったイベント回数は400回を越え、400社余りの進出企業の9割近くがクライアントである。7年続けてフォックスコンの忘年会を企画し、エイサーやAUOのファミリーデーも毎年請負っており、ここから各社の社内フィットネスクラブ経営も行うようになった。
進出企業12社が悍創公司に年間3000万台湾元のクラブ管理費を支払っており、これで会社経営は安定してきた。クライアントにはフォックスコン、アプライドマテリアルなどがあり、サービス内容はクラブの企画、設備の管理からコーチの招聘などである。悍創公司はクライアントの要望に応じたサービスを提供できるので、フィットネスクラブチェーンとのコンペにも有利で、サイエンスパークの余暇生活の大半を悍創公司が握っているといっても過言ではないのである。
張運智(右)と胡瓏智は、ナイトマーケットの露店商から新竹サイエンスパークでの特売会へと進出し、ついにスポーツマーケティングで天下を取り、幼い頃の夢をかなえた。