数々のまとめサイト、どれが正しい?
こうした問題には、多くの法律専門家が気づいている。
2014年、「海峡両岸サービス貿易協定」が立法院で激しく議論される中、「ひまわり学生運動」が発生した。この時、ネット上には多数の「サービス貿易協定まとめサイト」が出現したが、情報は錯綜し、どれが本当の情報なのか、情報操作ではないのかと、一般市民も混乱した。
「当時出現したまとめサイトは、それぞれに政治的立場を持ち、偏った情報もあって、国民は最も基本的な法律知識を得られずにいました」と、「法律白話文運動」サイト長で弁護士の楊貴智は、この運動を始めたきっかけを語る。
このサービス貿易協定の情報を整理するために、彼は友人とともに、わかりやすい言葉で協定の内容を説明する文章をネット上で発表し始めた。わかりやすい文章で難解な条文を説明しているので、少しずつ注目されるようになった。
ひまわり学生運動が終わると、彼らはこれらの文章を現在の法律白話文運動サイトに移し、さらに多くの社会問題に目を向け始めた。予防拘禁から原発、婚姻における男女平等まで、社会と密接に関わる内容を分かりやすい文章で次々と上げていき、SNSでも大きな話題になった。
このサイトの人気が出たのは、若者が好む言葉を多用して法律のハードルを下げたところにある。味気ない法律の条文が、突然よく分かり、おもしろくて役に立つものへと変わったのである。文語調の難解な判決文も、法律白話文運動サイトの専門家や運営者の工夫で、まるで小説のようにおもしろいものとなる。
楊貴智が民主化運動に従事するゲストを招く「法客ラジオ」。この番組は第19回新聞卓越賞のPodcastニュース賞を受賞した。