今年(2020年)、台湾も世界と同様に新型コロナウイルスの影響を受け、年初の台北国際ブックフェアをはじめ、多くのイベントが中止または延期となった。しかし、国内の感染状況がしだいに収束するにつれ、国内旅行振興プランが次々と打ち出されている。暑い夏の旅と言えば、冷たいスイーツが欠かせない。
一杯のかき氷に込められた、さまざまな地域の物語は思いがけないほどおもしろい。今月号では、台南と高雄の老舗かき氷店の物語、花蓮や澎湖などの地元食材にこだわったアイスクリームや社会変革を目指すアイス、そしてイノベーションが生み出したさまざまな創作アイスなど、夏の氷やアイスクリームの物語をお届けする。
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今月号の「パノラマ座談会」では、公益プラットフォーム文化基金会を設立した厳長寿氏と、世界的に活躍する画家の江賢二氏をお招きし、台湾東部の豊かな文化やランドスケープと芸術、地方創生の優位性について語っていただいた。また取材班は台東の田畑に分け入り、台東の知られざる「食戦力」についても報道する。
いつもと違う角度で台湾を見るのはどうだろう。台北の微風南山(ブリーズ南山)6階にあるi-Ride TAIPEI 5Dはコンテンツからハードまで完全に台湾製のフライングシアターだ。上空から台湾の海岸線や山脈を見降ろし、さらには海底でウミガメやイルカと戯れることもでき、まったく別の角度から台湾を体験できる。
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台湾戯曲学院内湖キャンパス中興堂では、毎日早朝から宙返りや組体操など高度な雑技の訓練が行われている。台湾特技団の日常だ。2017~19年だけで内外で121回の公演を行ない、その素晴らしいステージは海外華僑の心を慰め、台湾の精神を伝えてきた。
世界では無人航空機やドローンの技術が急速に発達しているが、その中で台湾はどのような役割を果たし、どのような技術を生み出しているのか。また、インターネットの時代、偽情報やフィッシング詐欺が跡を絶たないが、台湾では民間部門が自主的に動き、限られた予算の中で議論し、プログラムやデータバンクを作り、それらがつながって偽情報と戦っている。
今月号の「フォトエッセイ」では、行政院新聞局時代の「光華」で写真を担当していた鍾永和が、故郷の宜蘭に寄せる思いを表現した「尋路」をご覧いただきたい。かつての宜蘭の農村をとらえた数々の写真作品は、故郷や大地、地元の人々への愛情に満ちている。盛夏の候、「光華」をめくって涼をお取りいただければと思う。