最も辛い最初の数年
離婚して3年たった頃から、傅さんはシングルペアレントをサポートする団体のカウンセリングや活動に積極的に参加し始めた。「自分が一番悲惨なわけではないと知り、ずいぶん楽になりました」と言う。
それ以来、春節などの「敏感な祭日」が来るたびに、彼は子供たちを連れてサポート団体が慈済や法鼓山などの宗教団体と一緒に開くシングルペアレントの集まりに参加するようになった。賑やかなひと時を過ごせ、社会の役に立つとともに新しい友人を作ることもできる。
傅さんの経験は特別なものではない。妻を亡くして15年になる朱さんと、2度の婚姻を経て今は一人で3人の子供を育てている蘇さん(女性)は、伴侶を失ったばかりの数年が一番つらかったと言う。自分も子供たちも「一人足りない」という寂しさを克服しなければならず、親戚や友人からの過度の関心や今までと違う視線にも耐えなければならない。すでに平静を取り戻していた気持ちが再び波立つこともあった。
朱さんの妻が病気で亡くなったのは春節の2ヶ月前だった。その年、彼は2人の子供を連れて新竹の実家に帰ったが、実家の父は、その姿を見て不憫に思った。男手ひとつで、どうやって二人の子供を育てるのかと心配したのである。
「実家の父や親戚の気遣いが、かえって私を苦しめました。私は大丈夫だから、と逆に彼らを慰めなければなりませんでした」と言う。
シングルマザーの蘇さんは「古い風習」に苦しめられている。二度離婚した彼女は、実家では「嫁いだ娘」とされ、大晦日と元日には実家に帰ることを許されない。「嫁いだ娘が大晦日に帰省すると悪運をもたらす」と言われているからだ。
「最初の数年は辛かったですが、時間が解決してくれます。泣いても笑っても同じように時は過ぎて行くのですから、笑って過ごさないと」と話す。彼女は清掃員と不動産仲介業の二つの仕事を持ち、子供たちは各地の学校に進学しているので、今は春節の団欒を大切にしている。物質的には豊かではないが、家族は仲が良く、春節も楽しく過ごしている。