チョコレート作り
こうした考えから、もともとチョコレート好きだった張天奕は本を読み漁り、チョコレート作りを研究し始めた。「まず、プロ向けのチョコレート作りの教室に参加しましたが、ほとんどの先生は、大切なポイントは教えてくれないことに気付きました。チョコレート職人の多くは、自分の技術が流出するのを心配しているのかも知れません。他に方法がないので、大学の図書館に行って研究し、自分で何回も何回も実験してみるしかありませんでした」張天奕は、チョコレート作りの過程は複雑で、微妙なプロセスが口当たりに影響するという。
その話によると、カカオの木は3年目から実をつけ、樹齢5年以上の木は一年中安定的に実をつける。実から種を取り出して発酵させ、焙煎してパウダーにし、テンパリングで再結晶させることでチョコレートが出来るが、どのプロセスも特殊な技術で、どこかでミスがあれば、おいしいチョコレートはできない。
パートナーの陳佳慧によると、チョコレートメーカーとしての起業を思い立ったのは、大学院の先生に背中を押されたからだという。「大学院の時に小さな作業場を作ってチョコレート生産に取り組み、ネットで販売しました。これで起業の単位を取ったのですが、小規模農家と手を組みたいという私たちの理念を知った教授が大いに支持してくれ、青年起業支援プロジェクトに企画案を提出するよう励ましてくれたのです」
教授の指導を受け、張天奕と陳佳慧が提出した「農業研究開発、創億機会」と題する企画書は「龍騰微笑起業コンクール」の予選を通過し、初挑戦で決戦に挑むこととなった。決戦で勝つことはできなかったが、これで自信がついた。
張天奕は台湾の農作物を用いたチョコレートを積極的に開発している。