20年来の協力関係
2011年、EBRDの支援範囲はエジプトやモロッコ、チュニジア、ヨルダンなどにも広がり、EBRDと協力関係にあれば、単独で投資するより良好な投資機会が得られるとチャクラバルティ総裁は言う。台湾企業にとって中央アジアは馴染みが少ないが、同地域の今年の経済成長率は9%に達する見込みで、EBRDを通して投資すればリスクを下げられるだろう。
この他に、ブルガリア、ルーマニア、セルビアなどの国々も東方の経験を求めており、投資先として大きな意義がある。
台湾とEBRDの関係は密接だ。21年前に同行が設立された時、台湾は共同で「技術合作基金」を設立し、以来ずっとEBRDの援助計画に資金を提供してきた。これまでに台湾は238項目の技術協力プロジェクトに資金を提供し、その生産高は2100憶ユーロを超える。主に情報通信やエネルギー効率などの産業、都市輸送システムやEBRDを通しての小規模企業支援計画などだ。
この他に、台湾はEBRDの投資案にも直接資金を投じている。これらの投資計画の総生産高は38.9憶ユーロで大きな成果が上っている。
今後の重点:持続可能なエネルギー
重要なのは、EBRDと台湾の共同計画を通して台湾企業もビジネスチャンスを得られることだ。例えば2012年に我が国とEBRDの協力計画で生み出された商機は6624.5憶米ドルに達する。
この3年の統計を見ると、EBRDによる建設工事や物資面での年間調達額は90憶ユーロ(約3510憶台湾ドル)に達し、中でもサステナブル・エネルギー部門が最も重要な項目である。
EBRDの支援国では現代的な省エネ方法が普及しておらず、EBRDはこれらの国々のビルの屋上に太陽光発電システムを設けたいと考えている。
2011~2012年、台湾の技術合作基金会の資金を得て、EBRDは台湾の工業研究院グリーンエネルギー・環境研究所の専門家チームを招聘し、クロアチアやハンガリー、スロバキア、トルコなどで建築と統合した太陽光発電システムの可能性を検討した。
2011年5月、TaiwanICD(財団法人国際合作発展基金会)はEBRDと「グリーンエネルギー特別基金」を設立。TaiwanICDが8000万米ドルを提供し、優遇融資の形で支援を受ける国々でグリーンエネルギーのインフラ整備に協力していく。
2013年3月、TaiwanICDはEBRDと覚書を交わし、中欧、東欧、中央アジアの途上国の資金獲得に協力し、持続可能な資源発展を推進していく。
台湾はEBRDとの20年来の協力関係を基礎に、今後も投資と努力を続け、EBRDが支援する国々の経済発展を促進し、また台湾企業に中央アジアという新たな市場を開いていく。