与えることの幸せ
国際NPO、グローバル・ヒューマニタリアン・アシスタンス(GHA)は経済協力開発機構(OECD)傘下の開発援助委員会(DAC)と国連管轄機関の統計に基づき『グローバル人道支援レポート2014』を発表した。2013年には世界で220億米ドルが人道支援に注がれ、過去最高額を記録した。64億米ドルは各国政府から、56億米ドルは民間団体から出ている。多くの国とNGOが、人道支援を果たすべき国際的義務と見ていることを示している。
レポートによると、2013年の人道支援が10億米ドルを超える国は米・英・トルコ・日本で、4カ国の拠出額計92億6100万米ドルは政府援助全体の42%を占める。但し援助金が国民総所得(GNI)に占める割合は上位からトルコ、クウェート、ルクセンブルクである。トルコ政府は国民総所得1000米ドル当たり2.1ドルを国際人道支援に充てており、2013年世界で最も寛大な国と評価された。
レポートは歴年の大規模被支援国も列記する。日本は2011年に5億6600万米ドルの援助を受けて世界6大被支援国に入った。他は中東・アフリカ・中南米・東南アジアなど戦乱や災害頻発地域が多い。ミャンマーは2012年に1億3000万米ドルの国際人道援助を受け、金額で世界20位に入っている。1位のシリアが受けた15億3600万米ドルは、2位のスーダンと3位のヨルダン川西岸とガザ地区の被援助額の合計に匹敵する。
国連によると、2013年の世界難民数は1670万人に達し、各国の援助を必要としている。これについて牟華瑋は、難民援助は我が国外交部の現在と将来に向けた重要な方向だという。タイ-ミャンマー国境のほか、中東も長期間の戦乱で難民キャンプの規模が拡大し、シリア難民は数百万に達している。我が国政府と民間団体による継続的な難民救援は、米国も評価している。
我が国はこれまでイラク北部難民キャンプの仮設住宅、パレスチナ難民への車椅子提供、ヨルダン難民の医療改善を推進し、国際NPOとの協力でシリアで難民青年ケアプログラムを進め、ヨルダンとシリア国内の難民に白米を提供している。
我が国の大規模民間団体である慈済やワールド・ビジョンもそれぞれトルコ、ヨルダン、レバノン、シリア等を支援し、難民と貧困層の生活改善に尽力している。我が国の赤十字もシリア難民のための募金活動を行っている。
TBCに招かれ、牟華瑋は昨年11月、タイ-ミャンマー国境難民キャンプ援助国総会に出席し、最も僻地にあるメラウ・キャンプとメラマウン・キャンプを訪れ、難民生活の厳しさに触れた。山間部では物資欠乏と交通網の不足から、救援の重要性が際立つ。台湾の人道支援の足跡があるところには、国際社会からの評価がついてくる。外交部は引き続きNGOと連携し、台湾の人々の愛を世界の必要とされるところへ送り届けるという。
台湾は国際社会で様々な課題に直面しているからこそ、他者を思いやる気持ちを持ち続けることがいっそう大切である。地域の平和の契機は、タイ-ミャンマー国境難民の哀歌に耳を傾けることから始まるのかもしれない。
外交部NGO国際事務会の牟華瑋・執行長は昨年、タイ-ミャンマー国境地帯の難民キャンプを訪れ、困難な生活状況をその目で見てきた。