原産地証明マーク
台湾茶を見分けるもう一つの方法として、「原産地証明マーク」がある。蘇登昭さんによると、第三者による検査に合格した商品にのみ貼られるそうだ。
農薬の安全使用、栽培地の管理、食品安全・衛生の管理が検査の対象となるほか、お茶の味、香り、色、茶殻などの官能検査も行って品質を管理している。
現在、原産地証明マークは鹿谷凍頂烏龍茶、阿里山高山茶、梨山茶などを含め、15の地域で生産されるお茶に登録されている。
今年(2023年)の元旦から、農糧署が「国産茶のトレーサビリティシステムの義務付け」を推進している。「台湾」を原産国と表示している未浸出の茶葉には、トレーサビリティコード(QRコード)か原産地証明マーク(生産・販売履歴)または有機マークのうち、どれか一つを表示する必要がある。国産茶と海外産のものを配合したお茶であれば、原産国を、全体に占める割合の大きいものから順に表示しなければならない。蘇登昭さんは「政府が技術、法令、行政の面から原産地表示を推進しているのは、消費者の権利を守るためなのです」と話した。
山に恵まれた台湾には、品種の多様性や標高ごとに異なる山の雰囲気、そして匠による製茶技術がある。これにより、台湾茶は他とは一味違う香りを醸し出しているのだ。
小さな玉状の茶葉に茶山の濃緑や、山の偉大さを揉み込み、さらに現地の人々が磨き続ける技術と精神を注入する。こうして、優雅な香りと繊細でほのかに甘い余韻が生まれるのだ。台湾に来たら、台湾茶を味わう絶好の機会を逃さないように。
TRESが研究・開発した「多重元素テスト法」は、すり潰して粉末状にした茶葉から、溶液で元素を分離し、ICP-MSを用いて微量の元素成分や含有量を分析するものだ。分析後、各国の茶葉を集めて作成したデータベースと照合すると、茶葉が国産か海外産か分かる。
茶葉の味わいや口当たりは、茶の木の品種や栽培管理、製茶技術と密接に関係している。
茶の木は土壌から養分を吸収するため、その葉を摘み取って加工された茶葉からは、ふるさとの味がする。
TRESは革新と創造性を取り入れ、時代を画する茶系飲料を研究・開発している。