南台湾、屏東県の東港と聞いてどんなイメージを抱くだろう。3年に一度開かれる迎王の祭典だろうか。あるいは東港の三宝「クロマグロ、サクラエビ、カラスミ」か、それともバカンスで小琉球に行く時のフェリー乗り場だろうか。
東港は私の故郷で、進学のためにふるさとを離れるまで私は東港に暮らしていた。就職してからも、故郷に帰るたびに、まずバイクで東港の大通りから路地まであちこちを一回りし、幼い頃から食べていた地元の屋台料理を食べて、ようやくふるさとに帰ってきた気分になったものだ。
仕事の関係で、私はいつもカメラを持って各地の写真を撮っているが、見知らぬ土地であるほど感じるものが多い。逆に故郷は見慣れ過ぎているためか、それをカメラに収めることを忘れていた。今回は、東港の漁村に足を止めてカメラを取り、見慣れた異邦人になってみた。