クリエーターの裏側
感動される作者から人を感動させる作品が生まれる。『創意市集』がベストセラーになり、デザインジャンルの本としては2万部が売れ、2004年の誠品書店アートジャンルの年間ベストセラーにもなって、台湾で創意市集ブームが巻き起こった。いわゆるフリーマーケットである。
台北ではこういったマーケットは、一定の時間と場所で行われるものや、あるいは大型イベントなどに合せて開かれる流動的なものなどがある。いずれにしろ、変わらないのは売られているのが個人の創意と作品で、若者の文化現象と接点を有するところだと、『創意市集』を出版した田園城市の編集長席芬は見る。
「現在、台北でもっとも規模のあるマーケット、西門町CAMPOでは、出店ばかりではなくDJやファッションショーなどイベントがあり、さらに若者サブカルチャーのコスプレなどもよく見られます」と席芬は解説する。
月1回、これまで6回開催されたCAMPOマーケットは、2万人程度の人出がある。静かな康定路の映画テーマパークが、マーケットとなると人でごった返す。
20歳前後の人並みに揉まれ、数百台湾ドルからの手作りアクセサリーや、個性豊かな写真、絵画などの作品と、若者のマーケットの雰囲気で一杯である。
個性と創意が大切にされるが、出店者の多くが学生やサラリーマンやOLで、マーケットでの販売を職業とは考えていない。