だが、こうした地方の町は、産業構造の転換によって衰退していき、昔からの集落も人口が減って廃れてしまった。しかし1990年代に入って台湾社会に郷土意識が芽生えると、地域創生とUターン起業の波が押し寄せ、さびれた町に新たな風貌が現れはじめた。
「光華」は特集を組み、再び美しく磨かれた地方の真珠を報道した。南投魚池郷の土壌は酸性で、昼夜の温度差が大きく霧が多い気候が、紅茶の生長に適している。農業委員会茶業改良場魚池分場が改良に取り組み、さらに有機栽培と手作業による茶摘を実施し、育成した新品種・台茶18号を「紅玉」と命名した。今ではオリジナルブランドもできている。
鶯歌の陶磁器は200年の歴史をもつ。だが中国大陸の経済成長のあおりを受けて、海外からの受注が激減し、没落していった。しかし業者と地方行政の努力により、鶯歌の古い建物が並ぶ老街(古い町並み)はクリエイティブ産業へ、生活指向へと転向していく。中でも台華窯は異業種コラボレーションを展開し、陶磁器をハイグレードな芸術品に高めることに成功している。
また、彰化県社頭郷の靴下製造業、雲林県西螺鎮の醤油醸造、古坑のコーヒー豆栽培と焙煎に関する記事では、父から子へ、二代の事業継承と革新の物語を紹介する。小さな町には数多くの物語があり、小さな町の売りものは、そうした物語なのである。
暇を見つけて小さな町へ出かけよう。古老の昔話を聞き、若い人が小さな町に運んできたクリエイティビティを眺めたら、自分の故郷にもっと近づけるかもしれない。
醤油や茶葉、コーヒー豆から陶器まで、地域に根付いた昔からの産業に光が当てられ、地方の地場産業がよみがえりつつある。
醤油や茶葉、コーヒー豆から陶器まで、地域に根付いた昔からの産業に光が当てられ、地方の地場産業がよみがえりつつある。
醤油や茶葉、コーヒー豆から陶器まで、地域に根付いた昔からの産業に光が当てられ、地方の地場産業がよみがえりつつある。
醤油や茶葉、コーヒー豆から陶器まで、地域に根付いた昔からの産業に光が当てられ、地方の地場産業がよみがえりつつある。