台湾企業はどのようにデザインに取り組んでいるのか。「光華」2007年5月号(日本語版6月号)のカバーストーリーは「羽ばたく台湾のデザイン」と出して、ASUSやフィリップス、BenQなどの企業を取材した。パソコンメーカーのASUSは素材から着手し、竹や皮革などをノートパソコンのデザインに取り入れた。ASUSはさらに、イタリアの自動車メーカー、ランボルギーニ社から依頼され、ブラックの鏡面塗装を施したカーボンファイバーの筐体を作り、製品の質感と美感を大いに高めた。フィリップスはお年寄りにも使いやすいシンプルなデジタルフォトフレームをデザインした。これらはすべてユーザーの立場から考えられた、シンプルながら決して簡単ではないデザインである。
デザインを追求するのは大企業ばかりではない。1970年代生まれの若いデザイナーたちも、それぞれの物語や暮らしの中からインスピレーションを得ている。彼らは、台湾らしいデザインを追求し、識別度の高い商品を作っている。
台湾の産業界では、デザインは造型であるという概念から、デザインは一種のイノベーションであるという概念へと変わってきた。デザインが企業文化のコアとなり「デザイン力」によって製品やサービスを革新していくという考えである。消費者が「我買う、故に我あり」と言わんばかりに消費を通して個性を表現する時代、デザイン力はブランド差別化のカギとなったのである。

台湾企業は「デザイン力」によって生まれ変わる。台湾企業のデザインへの取り組みは、世界でも高く評価されている。

台湾企業は「デザイン力」によって生まれ変わる。台湾企業のデザインへの取り組みは、世界でも高く評価されている。