2018年5月16日の夜11時、苗栗県通>]の拱天宮は人でごった返していた。年に一度の白沙屯媽祖の神輿が巡行に出発するのである。今年、媽祖様は36時間以内に徒歩で雲林の北港朝天宮へ到着するよう指示なさった。150キロ近い道のりを36時間で移動するためには、廟のスタッフや信者は休むことなく昼も夜も歩き続けなければならない。
「白沙屯媽祖の巡行」は信者たちが代々受け継いできた宗教儀式で、すでに150年以上の歴史がある。徒歩で進むルートは苗栗県から台中市、彰化県、雲林県にまたがり、最後は北港朝天宮に参拝する。全行程320キロの道のりである。毎年、巡行の時期が近づくと、拱天宮の委員とその年の炉主が媽祖様に擲筊でお伺いを立て、出発日と朝天宮への到着日、そして帰還日を決める。また沿線で神輿を止める場所やルートも、媽祖様が神輿を担ぐ人々を率いて決めていくというのが、この巡行の最大の特色だ。
私たちは7泊8日の巡行に随行し、沿線の人々が祈りを捧げる姿を追った。そこに見えるのは、善良な人々の真剣なまなざしだった。
午前5時に神輿が出発すると、一人の信者が手を振って別れを告げた。彰化/北斗(荘坤儒撮影)
白沙屯の媽祖像は手や足が動く。200年以上の歴史を持つと言われている。(林旻萱撮影)
媽祖の神輿は行く先々で多くの信者に取り囲まれる。(林旻萱撮影)
毎年の巡行ルートは決まっていない。神輿は時にはスーパーマーケットに立ち寄り、時には学校に入っていくこともある。(荘坤儒撮影)
媽祖の神輿が宮に帰る日、神像は4人が担ぐ神輿から8人が担ぐ神輿に乗り換える。カメラマンたちは、媽祖像の御顔が見える瞬間を狙ってカメラを向ける。(林格立撮影)
7泊8日の巡行が終わる日、苗栗白沙屯拱天宮は媽祖様の御帰還をお迎えする多くの信者でごった返す。(林格立撮影)
7泊8日の巡行が終わる日、苗栗白沙屯拱天宮は媽祖様の御帰還をお迎えする多くの信者でごった返す。(林格立撮影)