最も実験精神に富んだ夜市
竹串を固定する器具の角度と、エビの大きさが揃っていることが重点で、殻もパリパリと食べられる。
傅瑜琥の妻も夜市で働いていて、通りの向いの「旗艦夜市」の中で服飾を扱っている。
服飾は流行とシーズンが問題で、利潤は高いが、売上の起伏は大きいと傅瑜琥は言う。流行は変化が早く、以前は月に1回韓国や日本へ仕入れに行くだけで間に合ったが、今は週に2回、最新のものを仕入れないとお客はついてこない。一方、エビの屋台の方は安定していて、1日に2000本(約30キロ)、休日には4000本(5本入りが40元)売れる。
エビの屋台の少し先の「巧蕉王」は「特許」が看板だ。凍らせたバナナにチョコレートを絡め、ピーナッツやスプレーチョコをまぶしたものだ。
この屋台を経営する黄登訓は、数年前にバナナとチョコが合うことに気付き、いろいろと工夫したが、バナナにチョコを絡めるのが難しく、食品業に従事する友人からアドバイスされてバナナを零下10度で凍らせ、翌日に零下20度まで下げてみた。実験を繰り返して見出したコツは、一度に温度を下げ過ぎないことだ。さもないとバナナが黒くなってしまうのである。
他の果物でも実験したが、やはりバナナが一番おいしかった。水分の多い果物は凍らせると固くて噛めず、ドリアンはバナナのように噛めるが、1本ずつ串刺しにするのが難しい。
以前は食品原料の輸入をしていた黄登訓は退職後、桃園県中壢;の夜市で4年間このバナナを売り、1年前に逢甲に移った。保守的な中壢;では一晩に2本しか売れないこともあったが、逢甲は好奇心旺盛な学生が多く、今は平日で500本、休日は800本(2本で30元)売れ、外国人にも人気がある。
学生街でもある逢甲夜市には若者と観光客が多く、ここでは新発明の小吃が次々と生まれる。右は大腸包小腸(もち米の腸詰で豚肉の腸詰を包んだもの)とポテトのチーズ焼き。