ロボット展示の専門家
ロボット博物館は2005年11月にオープンした。ロボットを通しての科学教育普及が評判になると、中国時報が主催する「2006年ロボット教育博覧会」に協力してコレクションを台北、桃園、台中、高雄で130日にわたって展示した。50万人が入場し、学生も教員も疲れ果てた。
「ロボット展が化石展と違うのは、手にとって動かしてもらう必要がある点です。子供が遊んでいるうちに恐竜の顎が取れてしまったら、すぐに修理しなければならないので、それが大変です」
展覧会に協力したことで、潘同泰さんは多くの人と出会い、博物館のことを知った企業がロボットを寄贈してくれた。エ}衆展覧公司が寄贈してくれたロボットには高価なものも多い。1体250万元、身長120センチのセキュリティロボットもあれば、漫画ファンが大好きな日本の「鉄人28号」、それにタイム誌が2005年の最も優れた発明に選んだ日本のZMP社のnuvoもある。
「鉄人28号」は、日本の漫画家・橫;山光輝が1956年から描き始めた同名の漫画の主人公である。このロボットは日本で200体だけ販売された限定品で、シリアルナンバーがついている。頭は小さく身体はたくましい二足歩行のロボットで、ABS樹脂のブルーのボディーは堂々としていて、漫画ファンに愛されている。
有名なnuvoは、世界初の家庭用二足歩行ロボットで、フランス語のnuvoには「斬新、特別」という意味がある。高さ39センチのこのロボットは歩行やダンスができ、言葉を話したり音楽を流したり、時間を知らせたり、握手したりできる。無線オンライン機能があり、頭部のカメラを通して、外から携帯電話で家の中を監視することもできる。
ロボット博物館は多くの人の協力を得て成り立っているが、まったくゼロからスタートしたわけではない。潘同泰さん自身がロボット研究者だからである。
潘さんはロボットの視覚システムの研究から入った。「以前のロボットには眼がなかったので、工場で作業をする時には部品をきちんと並べておかないと、ロボットはそれを取れませんでした。今は画像処理と円形識別システムがあるので、仕事の効率も高まりました」と言う。
1999年、潘同泰さんは昆虫ロボットの開発を始めた。メカ、サーボモーター、モーターコントローラー、マイクロコントローラー、赤外線センサーなどを用いて6本足の甲虫ロボットが完成した。「難しいのは、本物の虫のように歩かせるためにモーターをコントロールするプログラムです」
彼は野外で昆虫の歩き方を観察した。出来上がった甲虫ロボットは前進、後退、方向転換ができ、物にぶつからないように歩く。ラジコンにしてカメラで目標をモニターすれば、任務を遂行することもできるだろう。
「中文ではロボットを機器人と言いますが、実は精確ではなく、誤解も生じます。初期の工業用ロボットは1本の腕だけで、人の形はしていませんから」と話す潘さんによると、多くの人は人型ロボットを好むが、2足歩行は平らでないところでは転びやすい。6本足の昆虫ロボットは安定していて山地や地震発生時の救難にも役立つのである。
ロボット研修キャンプでは、子供たちは自分で簡単なロボットを組み立て、達成感を味わうことができる。