愚かな世代の精神
台湾版ビッグイシューは総合的な文化雑誌と位置づけられ、芸術文化やグリーン思想、グローバルな課題を総合的に論じ、また対象を25〜35歳のY世代にフォーカスしている。
去年4月1日のエイプリル・フールに発売された創刊号の表紙に愚かな世代と書かれている。これはアップル創設者ジョブスが2005年にスタンフォード大学で行なったスピーチの最後の言葉「ハングリーであれ、愚かであれ」から来ている。
X世代の李取中にとって、ネット時代に成長したY世代は人口比率が一番多く、独自の価値観を持っている。Y世代は知恵ある愚か者で、その創造力と理想が前進のエネルギーになる。
また豊かな時代に情報があふれる中で育ったY世代には、「ハングリーであれ、愚かであれ」の理念、世間の喧騒に惑わされずに物事の本質に帰り、単純な気持ちで世界を見る愚者の精神が重要なのである。
またイギリスでビッグイシューを創刊した時に、バードは社会的企業が販売するのは憐れみや同情ではなく商品であって、雑誌も市場の一般誌と肩を並べる面白さや競争力がなければならないと語っていた。
各国で発行されるホームレス関係のその他の出版物と比較して、ビッグイシューの商業的な編集方針が時に英米で議論を引き起こしてきた。美しい印刷で大衆に迎合するような内容、時にハリウッドの有名人やロック歌手が紙面を飾るのは商業的に過ぎて、ホームレスを語ることが少ないというのである。その一方、賛同者はこの編集こそがホームレスに実質的な収入を確保し、雑誌の長期的経営を可能にすると言う。
李取中に言わせると、フェアトレードのコーヒーが高くてまずければ、最初は慈善を理由に我慢して買ってくれても長期的な顧客にはならない。ホームレスの収入確保が目的なら、内容は当然読者が買ってくれることを優先しなければならない。
各国のビッグイシューを比較すると、時事、社会問題と文化芸能情報が主軸である。台湾版も時事、文化、ビジネスなどを主軸に、張恵妹などの有名人が表紙を飾り、広告収入もある。

「手を伸ばして乞うより、手を上げて売ろう」――イギリスで創刊された「The Big Issue」誌の販売員はホームレスの人々だ。住む家のない人々に自立の機会をもたらし、生活の主導権を取り戻してほしいのである。