「知竹常楽」の台湾館
円山公園エリアから陸橋をわたって美術公園エリアに入ると、最初に見えるのが竹林の中にたたずむ台湾館だ。
台湾館の外には、台湾茶12号金萱と台湾茶18号紅玉、それにビンロウの木が植えられている。お茶の木は台湾人が客人にお茶を出す「もてなしの精神」を表しており、原住民が嫁入りに持っていくビンロウの実も「歓迎」の意味を持つ。
最初に目に入るのはコンテナ型のウィンドーだ。ここにはコチョウランの台湾固有種、純白の「台湾阿嬤;(phalaenopsis aphrodite)」と、パフィオペディルムとカトレアが展示されている。
このウィンドーは、台湾のランがコンテナで欧米や日本に輸出されていることを象徴し、内部には輸送用の棚が設けられている。かつて輸送の休眠中にランの15%がダメージを受けていたが、これを解決するために自然光を模したLEDライトが開発された。この装置によってランの苗は輸送中も生長を続けられるようになり、台湾の花卉輸出に大きな扉を開いた。
続いて、通路は砂利敷きになり、竹で編んだドーム状の通路に入る。竹林と竹の編み目から注ぐ陽光が優しく、昔の農村を訪れたような気分になる。
通路の先は穀倉型の竹編みのドームで、ここには「秋の収穫」の意味が込められている。穀倉の入口は花瓶の形で、これは平安を象徴している。
竹編みのドームの上には丸い開口部があり、青空を見上げることができる。付近の松山空港を離着陸する飛行機が15分おきにその開口部から見えて今昔が交錯しておもしろい。
竹編みドームの外には半円形の池の劇場がある。池の中にある5つの水滴のオブジェは「伝承」を、並んだ2つの水滴は「友情」を象徴している。池の傍らにはサザンパインで建てた休憩所がある。幅2メートルの竹林が外部の喧騒を遮り、カラーやハナシュクシャ、ウチワゼニクサなどの水生植物を眺めながら静かなひと時を過ごすことができる。