台湾リゾットを創作
花蓮26号は、産地を離れるとレストランのテーブルに上ることとなる。
2018年以来、6年連続して「無国籍料理」の項目でミシュランの推薦を受けてきた「頁小館」では、馴染みのある台湾料理を西洋の方法で調理し、「台湾料理」を新たに定義している。
メニューを見ると、とんでもない組み合わせが並んでいるが、シェフの蔡斌翰はこう説明する。「めちゃくちゃだと言う人もいますが、私は基礎を組み合わせ直したり、本来は外国の食材を使っていたものを台湾の食材に変えたりするだけです。それによって味は良くなり、台湾の食材に光を当てることもできるのです」
「頁小館」という名前の通り、どの料理の配列や組み合わせにもシェフが伝えたい物語や文化がある。本のページをめくっていくように味覚を豊かにする。花蓮26号も、今後はこの店で重要な役割を果たすこととなるだろう。
蔡斌翰は、当初はこの米が台湾産であることを知らずに料理し、後から知らされて「騙された」と思ったそうだ。
ここからも、花蓮26号が花蓮農業改良場の「イタリア米に代わるもの」という目標を達成していることがわかる。
花蓮26号は見た目もイタリア米に似ていて、調理にかかる時間も近い。ただ、イタリア米に求められるアルデンテの食感は、台湾人に馴染みのある歯ごたえに近い。さらに重要なのは、調理した後も米粒がまったく崩れていないことだ。
だが蔡斌翰にとっての目標は、花蓮26号を従来のイタリア風のリゾットに仕上げることではない。彼の目標は、台湾ならではの台湾風リゾットを作ることなのである。
台湾風リゾットは、どんな味なのだろう。台湾発の新しい米――花蓮26号は、台湾と世界にどのような風を巻き起こすのだろうか。

花蓮26号は実が大きいことから肥料をやるのにふさわしくなく、そのためにスクミリンゴガイなどがつきやすい。

バターとスープで煮たリゾットの上に、ハマグリやミナミコノシロ、クワレシダなど台湾の食材をのせれば、台湾風のリゾットとなる。

新たな品種の開発計画を主宰した花蓮区農業改良場農芸研究室副研究員の黄佳興(右)とアシスタント研究員の李睿家(左)。

6年連続ミシュラン調査員おすすめリスト入りしているレストラン頁小館(Page)。店内は意外にもリラックスできる空間となっている。

信安糧食の工場内には精米機や色彩選別機などもあり、販売店へ卸されるまで一致した環境で処理される。

食材輸入商・協憶有限公司の呉敏鍾(右)と信安糧食責任者の簡宏盛(左)が、あぜ道で稲の状態を確認する。

7年にわたる育種を経て、花稉育228号は量産が可能で安定した特性があることが確認され、正式に花蓮26号と命名された。(花蓮区農業改良場提供)