ハイテクからクリエイティブへ
伝統工芸の旗津窯以外にも、GISAには宇萌数位科技と方進化創意整合の二社のクリエイティブ産業の企業が入っている。この2社はクリエイティブ産業とハイテク産業の中間に位置しているが、クリエイティブ業種として上場し、イメージを鮮明にした。
2010年設立の宇萌数位科技は、拡張現実ソフトの開発を事業の主軸とし、インタラクティブ・ゲームソフト、イベント、マーケティングなどを手がける会社である。
展示会場において、白璧珍副総経理はテレビ布袋戯(台湾の人形劇)向けにデザインした書籍を展示した。紙の本としてみると、布袋戯のキャラクター素還真、葉小釵などのシンプルな解説書だが、タブレットのカメラをキャラクターに向けると、本から立体的に浮かび上がってくる。
「この画像識別システムはQRコードの間接プロセスとは異なり、バーチャルリアリティの心地よさを感じられます」と白璧珍は言う。クリエイティブ産業を選択したのも、資金調達の過程を通して会社業務を広め、ほかのハイテク企業とセグメントするためである。
方進化創意整合は、目標をバーチャルなアニメキャラクター創造におき、ストーリーやキャラクター制作からゲーム、映画までを一手に引き受ける。台湾でハローキティ級のスターキャラクターを生み出すことを目指している。
投資決定の前に観察を
GISAに登録したといっても、その株式は公開発行株式ではないので、証券取引法や証券投資家及び先物取引保護法などの適用を受けない。そのため、台湾グレタイ証券市場では特に観察制度を設定している。個人投資家は年に6万元までの投資に制限され、また投資前に自身で慎重に評価したことを示すリスク予告書にサインする必要がある。売却するには、公開株式ではないので市場では売却できず、自分で買い手を捜さなければならない。
企業にとっては、増資金額は年1500万元(工業研究院等の政府機関の推薦があれば除外)に制限され、個人投資家が多く散在しているため、株主への会社業績説明に時間と手間がかかる。しかも3年以内に新興市場に上場しなければならない。GISAは資金調達の唯一の道ではないため、多くの会社ではエンジェル投資ファンドやベンチャー・キャピタルなどに資金を求めることを選択する。
しかし、GISAへの登録には台湾グレタイ証券市場の審査を受ける必要があるので、それが品質保証ともなり、宣伝効果は大きい。開幕初日の旗津窯の資金調達は多くのマスメディアが取り上げて、会社の知名度アップに繋がった。
そこで、企業の中には個人投資家への新規売出し説明会を会社成長の一つのステップと位置づけるところもある。理念性の高い生態緑では個人投資家の参加を希望し、株主への説明会を通じてフェアトレードの理念を広めることができて一挙両得と、余宛如は話す。
株式市場は経済の窓であり、資金の流れを生み出す推進力でもある。台湾には上場、店頭公開、新興市場併せて1757社が上場し、個人10人のうち1.5人が株式市場での取引を行っている。今回GISAが開設され、1月10日から個人投資家のネット取引が開始されると、9社が申込み枠を達成して、手続を完了すれば正式に登録される。これは企業と投資家との間の資金交流にもう一つの場を提供するというだけにとどまらず、一般投資家が起業家の成長を支持する機会でもある。
GISA元年は、経済の新しい動きの始まりでもあると言えそうだ。