被災地に入り込んだ「光華」の記者は、まるで映画「デイ・アフター・トゥモロー」のような情景に言葉をなくした。台湾の社会全体が、国土開発には経済成長ばかりを考えるのではなく、持続可能な発展が重要であることを痛感した。
11月号(日本語版12月号)の「光華」は、「安全な国土を取り戻すために」と題して、台湾西海岸の地盤沈下や廬山温泉の乱開発などを報道した。翌2010年、「光華」は被災から一年がたった高雄県ブヌン族の那瑪夏郷と屏東県ルカイ族の霧台郷の集落移転と再建の模様を報じた。災害から3年後の2012年、記者は再び被災地を訪れ、政府やNGOの協力の下で、住民たちが新たな目標を見出している姿を伝えた。その姿は、岩の隙間から陽光を求めて芽を出す小さな草のように生命力に満ちている。
2009年の台風8号は、人々に極端な気象現象を直視させる警鐘となった。その当時、台湾大学土木工学科の李鴻源教授は、「治めるべきは水や河川ではなく、人間による土地と河川の不当な利用である」と一言で問題点を言い切っている。大自然の秩序を尊重してこそ持続可能な発展への道が開けるのであり、そうあってこそ悲劇を繰り返さずに済むのである。
台風8号が南台湾に大災害をもたらし、至る所で人々が救助と支援を求めていた。
台風8号が南台湾に大災害をもたらし、至る所で人々が救助と支援を求めていた。
台風8号が南台湾に大災害をもたらし、至る所で人々が救助と支援を求めていた。