日常生活に溶け込んで
Jimmy S.P.A.のオフィスに一歩足を踏み入れると、生活‧服飾雑貨、文房具、ギフトなど、ジミーの様々な公式グッズが並んでいる。昨年、ジミー作品の『月亮忘記了』は日本のサンリオのハローキティとコラボレーションをした。小さな坊やとハローキティが月の上に寝そべっている絵を見ると、絵本でお馴染みのシーンが新たに描かれていることがわかり、実に癒やされる。「この案件は非常に興味深く、キャラクター同士のコラボレーションは初めてで、私たちにとって画期的なことでした」と李さんは振り返る。
長年にわたり、パブリックアートへの参加はジミーブランドの特色かつ強みとなっている。李さんは、「ジミーには、普通のキャラクターIPにはないストーリーや情景、隠れた哲学があります。私たちはその長所を広げ、短所を長所に変えています」と語る。ジミーの故郷は宜蘭だ。宜蘭県政府との協力で設けられた「ジミー広場」と「空飛ぶ汽車」は、観光客に宜蘭で是非体験してもらいたいスポットだ。Jimmy S.P.A.はまた、新北メトロ‧淡海ライトレール緑山線からの依頼で、パブリックアートと列車のデザインを手がけた。台東県の臨海にある原住民の集落‧比西里岸でも作品展示を楽しめるし、台北市信義区の一角には、走ることのないムーンバスが佇んでいる。
ジミーの作品は台湾の生活風景となっただけでない。2015年には李さんが自ら「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のキュレーターである北川フラム氏に連絡したことで、ジミーの大地の芸術祭への旅が始まった。田んぼや畑を舞台に、芸術が人と自然の架け橋となり、JR飯山線の土市駅と越後水沢駅に作品「Kiss & Goodbye」が設置された。作品制作だけでなく、絵本『忘記親一下(邦題:幸せのきっぷ)』の出版、現地での関連商品販売、台湾の風尚旅行社との提携によるミニツアーといったブランド展開を狙う各種イベントが計画された。
芸術祭に切り込んだ企画は好評を博し、チームは2018年も芸術祭に参加。そしてコロナ禍を経た今年、ジミーとチームは再び新潟へ向かった。今回のアイデアは「Kiss & Goodbye - 忘れられた大切な思い出」だと李さんが興奮気味に教えてくれた。ジミーは土市駅と越後水沢駅を模して、両駅の傍に郵便受けのように佇むミニチュアの駅を制作した。チームは事前に地域住民から大事にしている品々を集め、長年思い返されることのなかった大切な思い出として展示した。ジミーの作品内で繰り返し伝えられる、過去の素晴らしさを忘れないでという思いがあることにも気づかされる。
2025年、ジミーブランドは25周年を迎える。絵筆で私たちの心を癒やし、ブランドで世界とつながる。ジミーはいつだって私たちの日常の中に溶け込んでいるのだ。

美美と日本のインスタグラムの女王‧渡辺直美さんのコラボレーション。共に豊満な二人の有名女性がタッグを組み登場したことで、台湾と日本の文化交流が成功した。(提供:IN2 Creation)

美美とバーチャルアイドル‧初音ミクがコラボレーションした際のシリーズ商品。別のキャラクターへの扮装は美美のお得意だ。(提供:IN2 Creation)

スマートホンなどのアクセサリーは、若者が自分のスタイルを表現できるアイテムだ。美美は耐衝撃スマホケースのブランド‧RhinoShieldとコラボレーションした。(提供:IN2 Creation)

Jimmy S.P.A.は、作品を映画やミュージカル、舞台化することで、より多くの人たちにストーリーを広める試みを行っている。写真は『星空』と『微笑的魚(邦題:ほほえむ魚)』の映画ポスター。(提供:Jimmy S.P.A.)

ジミーの『月亮忘記了(邦題:君といたとき、いないとき)』とサンリオの「ハローキティ」とのコラボレーションは、ジミーブランドにとり初のキャラクター同士のコラボレーションだと話す李雨珊さん。「これは二次創作。20年以上続いているジミーブランド、キャラクターに新たな命を吹き込む時が来た」

2024年の作品「Kiss & Goodbye - 忘れられた大切な思い出」。ジミーの作品内で繰り返し伝えられる「過去の素晴らしさを忘れないで」という思いのように、長年思い返されることのなかった大切な思い出を小さな舞台に展示した。(提供:Jimmy S.P.A.)

MRTのホーム壁面から淡海ライトレール緑山線のホームのインスタレーションまで、ジミーの作品には物語、キャラクター、シーンがある。パブリックアートへの参加はジミーブランドの特色であり優位性だ。(提供:Jimmy S.P.A.)

2015年、ジミーは日本の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で「Kiss & Goodbye」を制作した。芸術は人と自然をつなぐ架け橋となり、現場で人を見てその人たちの姿を知ることが、ブランドマネジメントに役立つと李雨珊さんが語るように、現地で住民や来場者と交流した。(提供:Jimmy S.P.A.)