台湾ブランドのLCCで対抗
LCC各社の勢いに圧される台湾の航空各社も危機感を強め、とくに客層が重なる復興航空がまず積極的に動いた。復興航空の林明昇董事長は、2012年8月に政府に対して航空規制環境の整備による対応を訴え、さらに台湾の航空3社が力を合せて、台湾ブランドのLCCを設立して市場競争に対応しようと呼びかけた。
これに応えるように、政府民間航空局は2013年7月に航空会社新規設立の資本金の条件を緩和し、さらに二級空港に国際線を就航させて発着料の免除ないし大幅割引を提示した。
規制が緩和されて、規模では劣る復興航空にもLCCに参入するチャンスが出てきたことから、去年11月に台湾最初のLCC設立を発表し、また「10年間無料」を懸賞として名称募集イベントを行い、知名度を上げる作戦に出た。
業界大手の中華航空は、シンガポールのLCCタイガー・エアウェイズと提携してタイガーエア台湾を設立し、今年第4四半期からエアバス320の3機体制で運行する予定である。3年後には12機体制に拡大して黒字転換することを目標にしている。
中華航空の孫洪祥董事長は「天の時、地の利、人の和」と今回の提携を形容する。台湾はアジアのハブに位置し、4時間以内に北東アジア、東南アジアと中国大陸に到達できる。最近では日本やシンガポールなどアジアの諸国が空を開放しているし、中国大陸路線も開放が続いている。さらにはLCCに対して、台湾の人々の認知も高まっていて、LCC発展にはまさに機が熟しているといえる。
新規設立のタイガーエア台湾は、20億台湾ドルの資本金の90%を中華航空が所有する。孫董事長によると、中華航空はタイガー・エアと共に経営専門のCEOを任命するが、中華航空はオーナーとしての役割に徹し、経営に関与することはないと話す。タイガー・エアの現在の知名度と流通チャネルの優位性から見て、タイガーエア台湾は今後の急速な発展が見込まれるという。
市場の拡大
タイガーエア台湾と復興航空傘下のLCCは北東アジア、東南アジアと中国主要都市を結ぶが、親会社と路線が重ならないのだろうか。これに対して孫董事長は他国の経験から、バックパッカーに愛される格安航空は、これまで高いチケットで海外旅行できなかった人にも旅行のチャンスを与えることができるという。市場を拡大させるのであって、旅客を奪い合うものではないのである。
林董事長も、これまで外国のLCCは台湾に支店を設置していなかったため、問題が発生しても旅客は申し立てる場所もなかったという。しかし、台湾のLCCであれば苦情の窓口もあるし言葉も通じ、安心して利用できるだろう。
将来の台湾の空は、台湾ブランドのLCC参入でさらに活況を呈することだろう。台湾観光の新しい味方として、さらに競争が激しくなる中、価格や路線により多くの選択を提供することで、市場を獲得していける。