データとテクノロジー
クラウドキッチンの運営モデルは多様だ。消費者の信頼を勝ち取って知名度を高めるために、JK厨房ではオリジナルブランドと、コラボブランドを両立させる戦略を採っており、その比率は8対2から5対5に変わってきた。「クラウドキッチン」を標榜しているため、新しいブランドの開発にも「データ」を活かしている。外部データではGoogle TrendsやSNSの口コミなどを参考にして、現在のマーケットで人気のある飲食のタイプを理解する。内部データとしてはデリバリープラットフォームを通して毎月入る十数万件の注文資料の統計から、地域による味の好みや客単価の違いなどを見ている。
こうした調査の結果から、シェフはいくつかの新作メニューを開発し、内部で試食テストを行なった後、各部門がそれぞれ担当の仕事に入る。原価と販売価格を評価し、製造工程のマニュアルを作り、新商品をアップロードするなど、これらの流れにわずか1ヶ月半しかかからない。
キッチンの立地選びにも根拠がある。従来の実店舗ならショッピングエリアや繁華街を選ぶが、JK厨房はデリバリー業者のサービス範囲の周囲2キロ半の範囲を選ぶ。それと同時に、SNSの広告データからエリア内の人口や接触状況を確認し、他の支店との重複を避ける。
台湾中南部の消費者が利用することの少ない飲食店につても、JK厨房は「北から南へ送る」方法を試みている。例えば「鬍鬚張」の料理を濁水渓以南へと展開するのもその一例だ。「私たちは、飲食店の展開範囲を中南部へと拡大する際に協力ができます。関連データは、ブランド側の店舗展開の参考になる市場調査のようなものです」と言う。JK厨房は垂直統合のフードデリバリー飲食業者として多様な料理を提供すると同時に、他のレストランブランドの受託生産も行なっている。ワンストップの「フードコート」として老舗レストランに協力し、また新規参入する企業にも協力している。
「クラウドキッチンの強みは、素早くブランドを立ち上げられる点にあります。実店舗を開店するには多額の費用がかかりますが、JK厨房がアクセラレーターのような役割を果たすことで新ブランドはここで経験を積み、自社のバーチャルブランドを確立することができます。消費者の反響が良ければ、そのまま協同開店も考慮します」と李沁朗は言う。
食とテクノロジーの融合に、多くのブランドが参画している。クラウドキッチンの他に、生鮮食品を扱う業者もこの市場を重視している。

ピークの時間帯になるとクラウドキッチンには次々とデリバリーの配達員がやってくる。(林格立撮影)